そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.124 歳末三景 

 
小さな音楽会
 ちょっと用事があって前任校に出かけた。玄関を入ると,「ようこそおいでくださいました 校長室へお入りください」という黒板が出ている。あ,きょうはお客さんだ,職員室で少し話して帰ろう,と思いながら入る。
 ちょうど国際交流会を音楽室で行っているという。外国のバイオリニストがきているのだそうだ。職員室にいた職員のあとについて聴きに行く。もうほとんど終わっていたが,タンゴ「エル・チョクロ」の演奏を聴いた。バンドネオンとピアノの奏者(日本人)もきていて,ちょっといい演奏だった。子どもたちもうれしそうに聴いていた。
 終わって職員室で,「バンドネオンと言う楽器を初めて見ました」と話している。「タンゴには欠かせない楽器なんですよ。」私は一人のタンゴファンとして講釈する。クリスマス
前の温かいプレゼントだった。
   (詳細は「こちら逢坂小学校です」http://www.torikyo.ed.jp/ousaka-e/)

散髪屋さんにて
 年末の散髪をした。この散髪屋さんは,私がもう40年以上もお世話になっているところだ。終わるころになって,
「何か家で髪にしておられますか。」と尋ねられる。最近髪が薄くなったと自分でも自覚しているから,そのことについて尋ねているのかと思って,
「いや,なにも。」と答えると,
「以前は癖が相当強かったのに,それが少なくなっているのです。普通年をとると,毛が細くなって癖が出るのですが,ストレートになってきています。何かしておられるのかと思いまして。」
「年をとって,髪の毛も人間も癖がなくなったのでしょう。」
 年齢とともに癖(個性)がだんだんなくなって,素直になってきたのかもしれない。

大掃除
 年末には息子たちも帰ってくる。大掃除をしなければならない。障子張りとガラス拭きと部屋掃除はこれまでもずっとやって来た。
 障子張りは,以前は糊を作るところからしていたが,最近はアイロン張りが普及してずいぶん簡単になった。なんとなく障子張りをしたという満足感には欠けるが障子の数も少なくなったし,すぐできそうだ。
 逆にガラス拭きは場所が増えたので,少し時間がかかるだろう。汚れも何かだんだんひどくなるような気がする。空気の汚れが進んでいるのかもしれない。それにしても退職して暇もできたから,もう少し掃除場所を増やすかな。(2002.12.20)