そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.125 今月の読書(12月) 

 
『中央構造帯』(内田康夫著 講談社)は470ページもの大作。このホームページで「内田康夫のものでも公民館から借りて読むか」というようなことを書いたら,それを読んだ「魔法使い」さんが貸してくださった。ホームページもなかなか役に立つ。
 彼のものはこれまでにも何冊か読んだが,今回のものは銀行が舞台。将門伝説から昭和20年8月の終戦時に起こった沼津部隊の事件もまじえて,現代の銀行の問題に迫る推理小説で読みごたえがある。

『やまない雨はない』(倉嶋厚著 文芸春秋)は,NHKの「私の本棚」で放送していたのを聴いたことがあって,読んでみようと思った。著者は気象キャスターで,テレビで予報番組をやっていたこともある。その後ABCテレビ「徹子の部屋」で著者倉嶋氏が黒柳徹子氏と対談をしているのを聞いて,ますます手に入れたくなった。

 図書館にあれば借りて読もうと検索をすると,貸し出し中とのこと。本屋で探すことにする。私は倉吉の本屋を利用することが多い。妻は湖山の方が近いのに,と笑うが,県中部に勤務していたので,なんとなく親しいものを感じるのだ。
 しばらく探したがないので店員に尋ねると,パソコンと書棚を行ったりきたりしていたが品切れになっているという。仕方がないので注文すると,正月になるかもしれないとか,やっぱり田舎かなあ。
 と,思っていたら2日たって電話が入る。
「入りましたのでご都合のよいときにどうぞ。」「ずいぶん早いですね。」「ちょうど品切れで注文していたものですから。」
それならそれでそう言ってくれたらいいものを。まあ,読めることになったから文句は言うまい。

『「超」文章法』(野口悠紀雄著 中公新書)は,新聞の書評で知った。この人の『「超」整理法』(中公新書),『「超」勉強法』(講談社)などいくつかを読んでいる。
「まず始めよ」これは私かずっと前から言っていること。ワープロやパソコンではまず書き始めること。文学的な作品はいざ知らず,私のような雑文を書くのには実にいい方法なのだ。このホームページの文章も,そんな書き方をしていると言っていい。
 そんなところに惹かれた。
 
『日本語の教室』(大野晋著 岩波新書)も新聞で見つけたもの。最初に質問に答える形で日本語の本質に迫る。これから読み進める。 
 なぜか今回は新書にほしい物が多い。(2002.12.22)