そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.13 春休み

 以前退職した校長から聞いたものだ。
「3月31日の夜12時を過ぎて,自分の役目が終わってホッとしたものです。」
気持ちはわからないでもないが,それ程のことはないでしょう。私は安心してぐっすり眠った。私にとっていい子どもたち,いい学校だったのだなあ。

 さて,春休み。これからずうっと,春も夏も秋も休み。何をしようか。退職に伴なう事務的なことや,退職金などのお金に関すること,校長室から持ちかえった私物,書籍などの始末は当然しなければならない。(これが結構手間がかかる。銀行や郵便局に毎日のように行っている。退職金だの保険だの,これまでせっせと積み立てたものなのに,なんでこんなに面倒なんだ。)

 家の中の片付け。何年か段ボールに入れたままの物もいくつかあるから,これもしなければならない。
 休みになったらしよう,と思っていた畑仕事や,花壇や鉢花の手入れも私を待っているし,最近できなかった読書もしたい。せっかく録画してためておいた推理ドラマのビデオも見たい。時期にとらわれず考えたかった,国内外の旅行の計画も立てたい。
 こう考えると,しばらくは休んでいられないような感じだ。

 とにかく,明日1日の予定を立てる。晴れたら外の仕事を中心に,雨なら中の仕事を進める。当面は草取りを毎日しよう(なんだか逢坂小学校の暮らしといっしょだ)。読書も毎日しよう(「朝の読書」でなく「昼の読書」)。物置の棚を作ったり鉢物の植え替えをしたりして,1日がうまる。
「明日のことを考えなくてもよくなりました」などと,ある会の挨拶で言ったものだが,なかなかどうして,明日の自分の計画は自分できちんと立てなければならない。

 と,思ってノートに毎日の計画を書いて実行。「草取りは1日一平方メートル」と妻に言い渡してあるので,無理にならない程度やればよい。妻は,「終わるころには初めの分が生えている」と冷やかすが,仕事がなくならなくていいじゃないか。4月に入って暑いぐらいの毎日だから,順調に進んでいる。
 読書は,今県立図書館から借りた「アカシアの大連」(清岡卓行)を読んでいる。図書館の本が借りられるということはありがたいことだ。
 物置の棚は予想より早くできてしまった。今度はこの棚を使って片付けを進めなければならない。
 充実した毎日だ。