そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.131 1月の庭 

  雪はすべてを隠す。「寒の入り寒波」で,庭はすっかり雪に覆われてしまった。雪は景色をなくするのではない。今まであったものを隠して,新しい景色を見せる。
 朝,外を見て「あっ」と驚かされることが,一冬に一度や二度は必ずある。それでもこのあたりは海岸近くだから,一晩に30センチも積もることはめったにないが,教員になって初めての勤務地は1メートルくらいも積もったものだった。

 草花も野菜もこの雪にすっかり息を潜めている。寒さに弱いものは屋内に取り込んでいるので心配ない。パンジーやビオラは花を咲かせたまま雪にあわせているが,寒さに強いので大丈夫。アネモネやチューリップは芽を出したが,これから暖かくなるまでじっと成長を止めて力を蓄えることだろう。

 ダイコンやブロッコリー,ネギ,ホウレンソウなどは食べたいときに取りに出る。寒くても,これは体を動かすしかない。エンダイブは寒さにも暑さにも強くて,次々芽を出すから,たいへん重宝している。洋食でなくてもちょっと添えておけばいい。
 エンドウは芽を出したが,冬を越すまではこのまま過ごさせるのがよいらしい。

 7日は七草。野菜や草を,前の日に妻が気をきかせて取ってきた。「セリ,ナズナ,ゴギョウ,ハコベラ,ホトケノザ,スズナ,スズシロ」には合わないけれど,何種類かがあれば七草粥はよしとする。
 朝,私が細かくきざんでお粥を作る。これで今年も元気に過ごせるだろう。

 先日松江フォーゲルパークで買ったストレプトカーパスは室内においているが,よく花をつけた。葉ざしもできるということなので,できたら増やしたいと思っている。
 エリカは,なぜか近年花を見なかったが,寒くなって中に入れたら咲き出した。アナナス,アンスリウムも去年の秋頃から花(と言っていいのかな)を咲かせるようになった。やっぱり植物にあった環境を整えてやることが大事だ。

 金魚を飼っているポリ容器とメダカを飼っている石臼にも,寒さ対策の蓋をして凍らないようにしたつもりだったが,朝見るとしっかり凍っている。ポリ容器の金魚はじっとして動かないから,ひょっとしたらいっしょに凍ってしまったのかもしれないと,氷をこつんと割ったらゆらりと泳いだ。まだまだこの程度なら元気なもんだ。
 メダカの石臼の氷は厚くて割れない。メダカたち,まあ大丈夫だろう。(2003.1.10)