そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.133  自然観察会2 

 
 自然観察会に入会したのだが,最初の10月のキノコ狩りに参加しただけで,後の月は都合が悪く不参加ばかり。それでも1月の第2土曜日はようやく体が空いた。 
 1月の観察会は千代川原で行われた。千代川は流路延長56.8km,流域面積1192平方km,鳥取県東部を北流して日本海に注ぐ県内3大河川の一つである。
 観察会は千代橋と八千代橋の間の駐車場に集合してください,という連絡であった。

 久しぶりのよい天気になった。千代川の河川敷は,野球場やゲートボール場などさまざまに利用されている。道路工事中のところが多く,迷い迷いして行くと,もう十人あまりの会員が集まっていた。
 早速出席をとって,清末先生の話を聞く。
「今日はロゼットを少し詳しく調べて,川原の植物の観察をします。」

「ロゼット 植物の根生葉が地面に水平放射状に広がって円座形をなしたもの(小学館『日本国語大辞典』第20巻)」冬越しのための植物の知恵といえるのかもしれない。
 スイバのロゼットを調べる。
「気温は14度,ロゼットの葉の下の温度を測ってください。」と清末先生。
「16〜7度です。」
「寒さを防ぐ仕組みになっているということですね。では,いちばん長い葉と,短い葉の方角と長さを測ってください。」
「南東側の方角の葉がいちばん長くて13〜4p,北西側の葉が短くて7〜8cmです。」
「日照時間の長い方がよく成長するということですね。」

 それからタンポポとメリケンカルカヤの種の綿毛の違いや,カゼクサとエノコログサの種のつき方の違いなどを観察し,そこにこめられている植物の知恵を学習した。
 海岸の植物であるタイトゴメがどうしてこんな所にあるかということや,ネコヤナギの芽の元の部分にはおもしろい顔があるという話などもなかなか興味深かった。
 また,セイヨウカラシナやカワラニンジンなど「雑草」にも食べられるものがたくさんあることも学んだ。
 イヌノフグリ,タンポポがもう咲き始めている。これからが本格的な寒さなのだが,野には一足早い春の訪れが見られる。

 観察会が終わって新年会をした。観察会にこられなかった人も参加して,みんなでわいわい新年を祝った。清末先生の家は会場の近くで,観察会で採取したセイヨウカラシナを早速料理して持ってこられた。なかなかおいしかった。(2003.1.14)