そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.138  一月の詩 

 
  三学期   清水行人


一月は行く 
どこへ行くの 何もかもおっぽらかして それでいいと思ってるの
二月は逃げる 
なぜ逃げるの なんにも解決してないのに ちっとは考えなさいよ
三月は去る 
どうしてよ どうなってもいいの 何考えてるの

だから あれほど言ったのに 知らん顔してるんだから
少年老い易く学なりがたし 
遊んでばっかりじゃあ駄目よ

一月よ行かないで 
言い分もいろいろあるだろうけどさ
二月よ逃げないで 
いじめたり追っかけたりしないから
三月よ去らないで 
ここにいてくれるだけでいいのだから

なんとかしなきゃ
みんなが考えた うんと考えた 知恵を絞って
絞って絞って頭が空っぽになった
そうして決めた

一月は行かない
二月ももう逃げない
三月も黙ったまま うつむいて
みんな固まったまま

だから今日も正月 毎日毎日雑煮と御節
今日も節分 あたり一面豆だらけ 鬼がほうほうの態で逃げ回り
桜は今日も咲かない
   (2003.1.24)