そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.157  確定申告 

 
 初めての確定申告である。先月,昨年度末退職者を集めて説明会があったのだが,何の予備知識もなしに行ったものだから,さっぱりわからなかった。直接税務署に行って聞くしかない。勤めていたときには,なにもしなくてもよかったものだから,その報いが来たのかもしれない。 
 勤めをやめても税金は取られる。3月まで勤めていたときの税率が生きているのか,7月ごろに数十万円も持っていかれた。これはどうしても確定申告をしなければならない。

 仕事のない日,証明書や申告用紙を持って鳥取まで出かける。税務署など行ったこともないので地図で調べると県庁の近くらしい。
 ところが,その周りをうろうろしてもそれらしい建物がない。犬の散歩で通りかかった人に尋ねると,
「駅南のほうに変わりました。」
なんと,私の調べた地図が古いものだったのだ。やっぱり情報は常に新しいものを仕入れておかなければならない。

それやこれやですっかり時間を使ってしまったが,何とか税務署着。なんだここなら感想文コンクールの審査会などで,たびたび通りかかっていたところだ。
中に入ると,大きな部屋でたくさんの人が話していた。案内された席に座ってみると,5・6人の相談者に一人の職員が個別指導をしていた。

 説明会のときにわからないながらに書いた途中やめの申告書を見て,
「ああ,だいぶできていますね。」と言って,
「この4つの所得を足してここに書いてください。」と指示して,私が計算をしている間に次の人に指示・指導をする,という具合だ。

「2.8をかけて33万を引いた数をここに書いて。」「これとこれを足したものをここに書きます。」とにかく言われるとおりにすれば申告書ができるようになっている。
 40分ばかりで下書きができあがって,あとはコンピュータ処理で清書したものができると言う。
 清書ができて,記名捺印などをして,証明書類等も職員の方で糊付け,ハイ終了。こんなことなら初めからきたほうがよかった。でも,なぜそんな数字を記入するのかわからなかったから,来年も来なければならないかもしれない。

 数十万円支払った税金は,5分の3ばかり返ってくる。よかった,よかった。(2003.3.8)