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自分が校長として行う入学式は7回して来た。卒業式に比べると式そのものはずっと短いし,楽に見えるがそうでもない。学校長の式辞は何度やっても緊張するものだ。朝からモーニング姿で出勤するわけにもいかないし,着替えのタイミングを考えていると,突然来客があったりする。どんな事でも慣れないと難しい。 今年は来賓としての出席である。開式15分ほど前に行ってみると,もう大方の来賓がそろっていた。 入学式は30分ほどで滞りなく終わった。ステージに上げられて新入生は幾分緊張気味。校長や来賓の『おめでとう』に対して,『ありがとうございます』の声が凍って出てこない。57名の上級生達も,本年度最初の行事,新入生ほど緊張はしていないが,一生懸命臨んでいる。たった20日ほど会っていないだけなのに,ぐんと成長した感じだ。1学年の進級を全身で感じているのだろうか。 翌朝,交差点で街頭指導の人たちといっしょに待つ。新しい自転車で,新しいヘルメットで登校。ちょっと恥ずかしそうに,うれしそうに,あいさつをして登校して行った。やはり,6年生のときとは違った少し大人びた雰囲気を感じた。 進級・進学,一つの通過点に違いないが,それは子どもたちに大きな成長を与える。そして私は,学年末の諸行事(卒業式,修了式,離任式,送別会等)以上に,私自身の仕事を一つ終えたな,という気持ちを抱いたのだった。(2002.4.10) |