そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.161  サクラ会 

 
 サクラ会に出席した。と言っても正式名称ではない。私が勝手につけている名前だ。
 もう1年半も前のことだ。ある研究会で,以前勤めていた学校のO先生に出会った。
「校長先生もう退職ですか,サクラの仲間で退職記念の会をやりましょう。」
「ああ,いいですねえ。」
 私は半分冗談のつもりで受け答えした。それを横から聞いていた私の後任のA校長が,
「私は来年だけなあ,私のも頼むで。」
 
 ところがその年の12月になって電話があった。
「もう何人か声をかけましたので,やりましょう。」
 退職までまだ3ヶ月以上もある12月15日にその会は実現した。集まったのはその学校の,当時のPTA役員を中心に12・3名だった。そう言えばPTAのたびたびの会合で夜遅くまで話し合いを持ったものだった。PTA研修会と称して,年に1回は県外にバス旅行をしたこともあった。
 そのころの忙しかったことは忘れて,いいことばかりが思い出される。出席した人たちは,そんなことを肴に杯を酌み交わした。

 その2回目の会を今月14日に持った。もちろんA校長の退職記念の会だった。全部で16人が集まっていた。A校長は現職だし,5年間勤めているからそれだけ人間関係も広い。私が校長時代のM教頭(現在は校長)も来ていた。
 1回目と同じように,賑やかに思い出を話し合った。その後倉吉でカラオケを楽しみながら2次会をしたのも同じだった。

「また来年もやりましょう。」
「ああ,今度はM校長の退職記念の会。」
 なるほどそんな年だ。
 そして,この学校は町村合併に伴う学校統合が決まっている。もうかなり具体的な動きが始まっているようだ。私が鹿野町で経験したように,さまざまな記念行事が準備されるに違いない。子ども達を統合に向けてどう指導していくかも大きな課題になるだろう。
 そして,この会もそのあたりまでか。

 今年の卒業生は,私がその学校で最後の年に迎えた一年生だった。前任校と日にちが重なっているので行ってやることはできないが,中学校でも元気にがんばってほしい。飲み,しゃべり,歌う,当時の保護者の顔を見ながら,そんなことを思っていた。
    (2003.3.16)