そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.166  春の散歩道2 

 
  去年コゴミを採りに行って偶然見つけたクレソンの味が忘れられなくて,山間地の川辺 を歩く。
コゴミ クサソテツの若芽。おひたし,和え物,サラダ,煮つけ,味噌汁に入れて
  もおいしい。自生地にはたくさんの株があるが,全部採ってしまうと根絶してしま
  うかもしれない。株を少しずつ,葉を少しずつ残すようにしたい。これは山野草に
  限らず大切なことだ。
クレソン ステーキやサラダに1・2本添えてある。ピリッとした辛味があるところから「オランダ辛子」と呼ばれる。明治時代に帰化して,猛烈な勢いで全国に広がり,今では海辺近くから山間部にまで見られる「雑草」になってしまった。添え物でなく,サラダやおひたし,和え物にしてもよい。

 雪が少し残っていて,陰に入れば風は冷たい。もちろんコゴミの季節には早すぎるから,クレソンやフキノトウを探す。
「まだ早いのかなあ。」
 ゴーゴーと流れる水を見ながらつぶやく。上に書いたように雑草化したクレソンだが,水のきれいなところのものでなければ食べる気はしない。ここから上流に人家はない。だからわざわざ来たのだが。

「ああ,これはクレソンだ。」
 まだまだ小さな株を見つけた。水辺近くの土に小さな株を広げつつあるようだ。これが気温の上昇とともに大きく育って,流れの中まで広がっていくのだろう。よく探すと水の近く,枯れた葦の下にたくさんある。まだ小さいのでもう2・3週間もすれば相当の収穫が期待できそうだ。
 セリもあったので収穫。

 フキノトウは我が家の近くではもう花が開いてしまっているが,このあたりではまだ出ていない。やはり季節がかなり違う。
 春の山野草,少しそろえて長男夫婦に送ってやる。材料は無料だが,さてうまく食べられるかな。

 家の近くでツクシを採って,佃煮にして食べる。結構おいしい。
 モンシロチョウ初見は3月20日。24日にはモンキチョウ初見。今年はツバメが遅いような気がする。そう言えばウグイスの初鳴きをまだ聞いていない。(2003.3.26)