そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.171  われと来て遊べや 

 
  暖かくなって草がどんどん生え広がっている。3月中ごろから草取りを続けているのだが,雨の日はできずなかなか思うように行かない。去年も「1日1平方メートル」などと言って,草取りを日課にしていたのを思い出す。去年は4月になってからだったから,今年は大分早く取りかかっているのになかなか済みそうにないのはどうしてだろう。
 スギナが芽を出して,花壇の中まで生えてきた。ツクシがいっぱい生えていたから胞子が飛んで芽を出したのか,地下茎が延びて入りこんだのか。

 モンシロチョウが飛んでツバメが宙を横切って,「春だなあ」とひょいと横を見ると小鳥がいる。胸が少し赤みを帯び,頭は黒に白のおび模様。私が草を取って土をひっくり返したところをついばんでいる。
 私が体をそちらに向けると飛んで逃げるが,遠くに行くのではない。少し離れたところの木の枝にとまってでキョトキョトとしていて,また私の近くの地面におりてくる。1メートルから2メートルの間隔を保ちながら餌を探している。

 妻にそのことを教えると,
「ああ,ほんとだあ。きれいな鳥だが。飼ってもええみたいだ。」
 飼おうとまでは思わないが,なぜか人懐こいので親しみを感じた。
 私は小鳥にはあまり詳しくない。図鑑で調べて見る。
 調べてすぐ「ホオジロ」を見出した。スズメのなかまで,1年中よく見られるという。ついでだから別の本で調べると,鳴き声が「一筆啓上仕候(いっぴつけいじょうつかまつりそろ)」と聞こえ,それを楽しむために飼われることも多いという。そういえばそんな話を聞いたのは,学生時代のころのことだっただろうか。

「お友達感覚」で写真でも撮ろうとカメラを準備したが,他の鳥たち近くにいるのが気になるらしくやって来ない。そう思って見渡せば,スズメもいる。セグロセキレイもいる。カラすも飛んでいる。 
 ウグイスの声も聞こえる。あの鳴き方はかなりうまくなっているから,初鳴きから相当日にちがたっているだろう。

 2・3日してまた近くで遊んでいる別の小鳥がいた。これはなんだろう。よくわからないがジョウビタキか。虫を見つけると近くまで寄ってついばむ。今度はかなり近くで写真撮影に成功(写真)。
 春真っ盛りだ。(2003.4.10)