そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.175  花田少年史 

 
 東京にいる次男から2月の初めにメールがあった。
「3月に僕が半年以上関わってきた作品がDVDで発売されます。関東地区を中心に放送してたアニメだから,そっちでは放送していませんでしたが,もし発売したらぜひ買ってみてください。『花田少年史』って言う作品です。本当は買ってあげたいんだけど,全巻買うと3万ぐらいすると思う…。
 DVDってプレイヤー持ってますか?。ビデオで発売されるかどうかも調べておきます。
今まで関わった作品の中で一番やりがいもあったし,良い作品だと思います。」

 我が家にはDVDプレーヤーはないけれど,わが子が製作に関った作品なら,ぜひ見てやりたい。広告で調べると,録画機能がついたものは高いが,プレーヤーだけならVHS録画再生のできる機能つきで数万円以下というところだ。今使っているビデオは「Gコード録画ができなくて面倒だ」と妻に言われ続けているので,この際買い換えよう。早速近所の電気屋さんに走る。

 しばらくして新聞広告に『花田少年史』(一色まこと原作/講談社・VAP・NTV)DVD&ビデオの広告が載っていた。それによると,「東京国際アニメフェア2003TV部門最優秀作品賞に輝く!!」とある。そのことを次男に伝えると「送るから」という返事だった。
 それからさらに数日後,『花田少年史』は届いた。子どもたちが小さいときにはテレビのアニメをよく見たものだった。あのころは,『巨人の星』のような根性物,名作物やウルトラマンシリーズなどがよく見られていたように思う。
 最近はあまり見ない。親のテレビ視聴も子どもの成長とともに変わるものなのだろう。

 届いたDVDビデオはまだ第1巻で,これから月一回のペースで第9巻まで発行されるという。第1巻には三つの話が収められている。
 第1話「はじまりはじまり」では,いたずら大好きの悪餓鬼小学3年生花田一路が交通事故にあうところから話は始まる。奇跡的に命拾いした一路だが,この事故によりお化けが見え,話ができる能力を持ってしまうのである。
 以下第2話は「ユキおばけの願い」,第3話は「花田ジロ」と続く。

 次男も製作に関っているから名前くらいは出てくるだろう。画面を飛ばして,製作スタッフの中に名前を探す。第3話の最後「制作進行」にその名前を見つけてホッとする。仕事にやりがいを感じているのはいいことだ。自分が満足する仕事ができたということなのだろう。アニメ製作は夜遅くまでのたいへんな仕事のようだが,これからも満足できる仕事を続けてほしいものだ。(2003.4.18)