そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.176  薬師祭り(勝見シリーズ8) 

 
 勝見役員の大仕事は,4月に行われる薬師祭りである。
 4月に入ると関係各地区の代表者の打ち合わせが行われる。そこでは祭礼や,屋台の運行についての時間予定や,各地区の費用の負担等について話し合われる。ほとんどが例年通りのことであるが,出席者の多くが初めてのことだから,理解が難しいこともある。

 祭礼については総務の担当ということで,私が進めなければならない。費用の内,餅米と煎餅については年によって値段が違うので書記さんに尋ねるが,煎餅屋の返事がもらえず,なかなかはっきりしない。あちこちの地区から問い合わせがあるので直接煎餅屋と交渉。4日前にようやくはっきりした。

 18日(金)には餅つきを役員で行う。その前に掃除をする。公民館をお当宿の客の会食に使うので,全体の掃除をしておく必要が出てきたからだ。
 餅つきは役員夫婦みんなで行うことになっている。全部で1斗4升の餅である。供え餅はそう手間はかからないが,熱い。私と平久理事とでなんとか仕上げた。面倒なのは小餅である。直径3センチメートルほどの餅なので,数が多い。だから人手がいるのだ。

 19日(土)は宵祭り。薬師堂で祭礼があり,薬師如来の名代がお当宿まで出かけられる(本尊の薬師如来は薬師堂から出ることはない)。ここからは青年の仕事が多い。花堂という小さな堂に名代を納め,屋台に乗せる。そしてこの日はお当宿まで屋台を引くのである。駅前の新泉地区の屋台も続いて宿に到着すると,名代をおろす。長泉寺住職は当宿の中に名代を安置して,読経。
 この日の祭礼はこれで終わるが,屋台は賑やかに町を回る。各地区区長と私たち役員,住職と宿の主は会食の席を持つ。

 20日(日)が本祭り。8時半より薬師堂で準備。祭壇の供え物,煎餅や小餅の袋詰などである。1時間あまりで終了。10時50分から祭礼がある。読経の後記念写真撮影。餅や煎餅などを分けていったん帰宅。
 午後1時30分屋台出発。当宿で名代を乗せて町を回る。これには役員交代で「取締り」の仕事をする。一人の持ち時間約1時間,ゆっくりというのもかなり疲れる。運行中薬師祭りの歌を青年が交代で歌う。歌の間は屋台は動かないという決まりだそうだ。

 午後8時屋台薬師堂に帰る。我が家の客の相手もこの日はほとんどできなかった。こうして3日間の祭り仕事が終わった。(2003.4.20)