そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.179  沖縄旅行2西表島その2 

 
 「海のない地方から来る人は潮の満ち干きを知らない。大潮といったら1日じゅう大潮と思っている。潮の満ち干きによって環境が大きく変わる。でも,それも西表島の自然の姿,いいですよ。台風だって見に来る人があってもいいじゃないかと思います。この辺りの台風というのがどんなものか見に来られるお客さんですね。『台風体験ツァー』というのでしょうか。」
『るるぶ』でも紹介されている竹盛旅館を経営する竹盛さんは2代目。自然観察指導員なので,私たちの旅行にはぴったりの宿である。私たちの観察旅行について,具体的な質問について,いろいろアドバイスしてくださった。

 1日目のマングローブ観察の後,夕食までのひととき川岸近くの植物を観察する。ハイビスカスやブーゲンビレアが咲き誇っていて,バナナやパパイヤも青い実をつけている。トックリヤシもある。ゲットウ(写真)はショウガの仲間だそうだ。房状の花をぶら下げている。デイゴは盛りがもう過ぎたということで,あの赤い花が少しだけ残っている木を見かけた。

 旅館の近くにモモタマナの木がある。夜になるとこの木の実を食べにオオコウモリがやってくるという。でもまだ夕暮れ時には時間がある。
 突然にバタバタと激しい音。それらしい影が飛び立って行った。私もそれより少し前にその付近を観察していたのだが,どこにいるのか全く気づかなかった。オオコウモリは我々の動きをひっそりと見守っていたらしい。近づき過ぎる我々に我慢できずに飛び立ったものらしかった。

  夕食は近海で取れた魚がメインの料理。海藻も多く使われている。ヘチマも筋ができない若い物を食べる。自分の手で取ったもの,作ったものをふんだんに使った健康的な料理である。
 蟹も以前はたくさん取れて,客に一人一匹つけることができたが,乱獲の所為か最近はほとんど取れなくなったそうだ。竹盛さんは捕獲籠を見せながら話された。

 泡盛がうまい。焼酎といえばちょっと癖があるのが普通と思っていたが,30度の「いりおもて」をグラスに注ぎ氷を入れて飲む。甘ささえ感じる。もっとも,泡盛のすべてがそうではない。それぞれに特色があるのだ。夜中まで清末先生の話を聞きながらグラスを開ける。
 明日は浦内川流域の観察が中心である。(2003.4.26) 〜〜以下次回に続く〜〜