そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.180  沖縄旅行3西表島その3 

 2日目も西表島。浦内川流域の観察が中心となるが,その前に西表野生生物保護センターを見学する。館内にはイリオモテヤマネコや島の自然を紹介するコーナー,目撃情報などが記録されている。
 イリオモテヤマネコについては,自然の中で行動しているものを見ることはもちろんできない。施設の中にいるものも見ることができない。剥製とビデオ映像で見るだけだ。それだけの保護がなされている。しかし,交通事故による死体の確認も増えているという。それでも島にいる頭数(推定)は減少せず,なんとか維持しているらしい。

 浦内川河口から遊覧船で軍艦島まで上る。途中マングローブについて昨日と同じようなガイドを聞く。軍艦島で下船,昼食。この辺りの岩には甌穴がいっぱいある。
「この甌穴はまだ大きくなるのですか。」と清末先生に聞くと,「大きくなりますよ。」との答え。激流によって動く中の石が穴を大きくしていくらしい。

 軍艦島から散策。マリュドゥの滝,カンビレーの滝へ。『るるぶ』では徒歩で片道20分と書いてあるが,私たちは観察しながら歩くので1時間はかかる。私はこの日の午後ビデオカメラ担当。
 20年も前にビデオを使っていたことがあった。VTRで体育授業を撮ったこともあったし,子どもたちのバレーボールの活躍を撮ろうと,東京までカメラとデンスケを担いだこともあった。あれは大変だったなあ。

「あれ,蛇じゃないですか。」後ろから声がする。えっ,まさかハブじゃなかろう。島袋さんは落ちついて蛇を木に止まらせ持ち上げ,皆に見せた。
「これは毒蛇ではありません。」しかし,2m近い大きなやつだ。台風2号の後の暖かさで出てきたものだろう。

 この旅行中観察した動物は,これまで上げたもの以外に,カンムリワシ,アカショウビン,セマルハコガメ,キノボリトカゲ,トビハゼなどであった。カンムリワシは何度も歓迎してくれたし,セマルハコガメはゆっくりゆっくり迎えてくれた。
 キバウミニナを採集したので,夕食の後標本の作り方を学習する。
「加熱がちょっとうまくいってない。」と,清末先生。
 中身がなかなか出てこない。爪楊枝やら箸やら使ってやっと取りだし,なんとか人数分標本を作った。これも土産の一つ。(2003.4.27)

 〜〜以下次回に続く〜〜