そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.182  沖縄旅行5石垣島 

「西表島に行きますか。あそこはこの石垣島より広い。沖縄本島の次に大きい島です。でも道に迷う人はいない。何しろ道は一本しかないんだから。」
「台風2号ですか。たいしたことはなかった。まあ,あいさつ程度でしたよ。」
 第1日目に石垣空港から石垣港まで乗ったタクシーの運転手はよくしゃべった。沖縄のガイドは船でもバスでも水牛車でも,運転し,語って歌って演奏し,器用なものだ。話もなかなかおもしろい。

 さて3日目の午後は石垣島にいる。川平湾近くで昼食。『るるぶ』によると「日本百景にも選ばれている石垣島随一の景勝地」だそうだ。緑の山,紺碧の海,青い空に雲が浮かぶ。
 そんな中,私たちは今日の観察のメイン御神崎に向かった。
 御神崎は島の西端屋良半島の突端部にある。那覇から合流して指導していただいている島袋先生は,沖縄生物教育研究会に属しておられる高校の先生である。この辺りの海浜植物について調査し,会誌にまとめたものを資料として準備してこられた。
 
 急坂を登って出たところは,岩場あり灯台あり,鳥取県で言えば長尾岬のような環境である。しかし,釣り人はいない。島袋先生が会誌にまとめておられるのは1978年ということなので,それ以後の環境変化はあるに違いない。しかし,西表島にしても竹富島にしても,なんとかこの島々の自然を残そう,沖縄の民俗・習慣を伝えようという住民の努力が感じられる。島袋先生などもその一人なのだろう。
 草刈りをしている作業員もいる。ゴミはなくきれいな観光地である。観光客もこの美しい自然を楽しんでいる。

 ハブが多いという。毒はマムシより弱いとはいうものの,噛まれたらえらいことだ。噛まれたらマムシと同じでその部分に近いところを強く縛って,2時間以内に手当てをすれば死ぬことはないが,完治には時間がかかるという。これまで観光客には被害がなかったが,ついに被害者が出たそうだ。森の中に入って噛まれた。3・4日の旅行のつもりが1ヶ月の滞在になったとか。
 ハブは昼間石垣の中に潜んでいて,夜になると活動するという。
「木の上にもいることがあり,落ちてきて噛みつくこともある。頭を噛まれたらどこを縛るか。首を縛るか。でもそれでは死んでしまう。」ガイドが冗談まじりに話す。
 石垣島というくらいで,家の回りに石垣は無数にある。どこにいるかわからない。昼食のレストランに蛇園があって,ハブもちゃんと飼育されていた。(2003.4.28)
 〜〜以下次回に続く〜〜