そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.19 手帳・ワープロ・コンピュータ

 ここに7冊の手帳がある。私が校長として使った7年間の手帳だ。
 私は日頃大きなメモ帳は使わない。年の暮れに銀行などからもらう手帳で大方のことをすませる。いつ,何が,どこであるかということぐらいならこれで十分なのだ。たて15cm足らず,横9cmほどなのでどこにでも入る。さらに,去年・今年の2冊持ってもそんなにかさばらない。

 2冊持ち歩くと便利なことがある。何かの日取りを決めるとき必ず,「去年はいつしたかな」ということが出てくるからだ。私はさっと去年の手帳を出し,「何月何日何曜日,何時よりどこで」と答えられる。
「よく覚えておられますねえ」と人は言うが,いくら記憶がよくても,会合の多い校長職だ。そこまではなかなか覚えられるもんじゃない。

 ワープロを私が使い始めたのは15年ほど前のことだった。そんなに早いほうではない。現在も少し使っているのを含めて3台買い換えた。
 事務的な文書は当然のことだが,校長になってからは全校朝会の校長講話や,諸会合などのあいさつも入れるようにした。
 去年はどんな話をしたかすぐにわかるし,「始業式にどんな話をしたか覚えていますか」などと子どもたちに訊ねることもできる。
 フロッピにしまってある文書はどれだけか数えたことはないが,これも私の貴重な記録である。

 パソコンに取り組んだのは3年ほど前のこと。驚くほどの機能を持つこの機械がなかなか使えなくて,最初はワープロと合わせて使っていた。しかし,画像取り込みや,インターネットなどの機能を覚えるにしたがって,使用範囲も大きくなった。
 この3月まで勤めていた学校での朝一番の私の仕事はメールチェックだった。学校のホームページの「校長室から」には毎週書かせてもらったし,学校だよりの冒頭記事も毎月「学校だより」のページに載せていただいた。(「こちら逢坂小学校です」をどうぞ)
 ちょっとした文書も,色刷りや写真やカットを入れるとよい雰囲気になる。

 年をとって新しいことはなかなか頭が受け付けてくれない。だから,そんなにたくさんの機能は覚えられなくてもいいから,覚えたことを最大限使うこと。これが校長に限らず大事な事務処理能力だと思っている。(2002.4.16)