そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.195  今年も毛虫 

  今年も毛虫にやられた。
 数年前から毛虫の害を受けている。「痒いかな」「痛いかな」と思ったときはもう遅い。手から脇,胸から背中へと発疹と痒みが広がって,2・3日でひどい状態になる。
 昨年までやられたのはイラガの幼虫だと思っていた。「やられた」と思って調べると,ニシキギにイラガの幼虫がいる。
「イラガ類【症状】葉上に短くて大きな毒刺をもったケムシがいて葉を食害し,触れるとはげしい痛みを感じる。」(別冊NHK趣味の園芸『これだけは防ぎたい病気と害虫120』日本放送出版協会)
 ひどいときには病院に行き,注射をしてもらうこともあった。

 今年はそれらの反省からそんな害は受けない万全の体制をした。頭には帽子,ゴム手袋の長いものをはめて,長袖シャツ,ズボンに長靴といういでたち,ちょっと暑いが毛虫にやられないためには我慢。草取りも剪定もすべてこの服装で行った。葉が食害を受けていないかよく観察するようにした。蛹をみつければ取り除いたりした。

 しかし,それでも駄目だった。それも草取り中にやられた。その日はツバキの木の下のスギナを取っていた。このツバキはよく咲くのだが,花が多すぎてなかなか散らない。5月ごろから若い葉を繁らせ始めている。
 急にチクチクと手に痛みを感じたので,調べるが何もなさそうだ。それでも家の中にはいって念を入れて見る。たいしたことないか,と思って草取りを再会したがやっぱりおかしい。

 そのことを言うとツバキの葉を調べていた妻が,
「いっぱいいるじゃない。」
 やはり『これだけは防ぎたい病気と害虫120』で調べるとチャドクガの幼虫らしい。
「チャドクガ【症状】樹上に黄褐色で黒い班紋のあるケムシが群がり,葉を食害する。(中略)成虫,幼虫とも毒針毛をもち,さされると長い間発疹ができてひどくかゆい。」とある。「でも,つばきに触っていないんだけどなあ」と思いながら読み進めると,「ケムシに触れなくても,付近には脱皮殻から抜けた毒針毛が空気中に漂っているので,近寄るだけで発疹することもある。」なんと厄介なヤツなんだ。

 それから3週間ばかり,痒さはなくなったが発疹のあとはまだ少し残っている。来年からは,春には庭木の葉の裏を調べたり,少し早めに薬剤散布をして退治してから作業にかかるようにしなければならないようだ。