そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.197  パッションフルーツ 

 郵パックの小包が届いた。妻が受けとって,
「島袋さんからよ。」
と言う。沖縄の島袋先生から今ごろなんだろう,と思って品名を見ると,「パッションフルーツ,写真」とある。
「なに,パッションフルーツって。」
「トケイソウだよ。」
「あっ,そうか。」
 早速箱を開けてみる。手紙が出てきた。

〜〜清水様  2003.6.24
  去る4月に鳥取の皆様と旅路を共にし,楽しい想い出をつくりました。パッションフ
 ルーツの実がとれる頃となりました。ご試食(飲)下さい。
・ 実の上部の方を切り,小形のスプーンで果汁を内皮から切りはなすようかく拌し,
 スプーンですくい上げ,種はかまずに飲むようにします。実や果汁を冷やすと飲みよ
 いです。(以下略)〜〜

 この通信No184「沖縄旅行7」,No191「ホタルブクロ,トケイソウ」で,この果物のことは取り上げた。島袋先生の家の果樹園にはパッションフルーツ(クダモノトケイソウ)が栽培されていて,花が咲き実がなっていた。我が家のトケイソウとは種類が違っているらしい,ということも書いた。
 沖縄旅行の時に私たちが興味深く見ていたのを覚えておられたか,私の「通信」を読まれたのか,わざわざ送ってくださったのだった。

 冷えてはいないけど,早速食べてみよう。直径7〜8cmの卵形というより球形に近い果実を取り出す。皮が固いからキウイとも違う。書いてある通り上部を切り取り,中を見ると黄色い果肉が見えた。黒いつぶつぶしたのは種だろう。ねっとりとした果汁を果皮から離して集めて口にしてみる。
 この甘酸っぱさは他の果物にはない。種が多い,でもザクロとも違う。これも書いてあるとおりに飲みこむ。

 お礼のつもりで,パソコンに入れていた沖縄旅行の写真10枚ほどを送ったら,早速電話があったのでお礼を言う。
「珍しいものをありがとうございました。種を播いてみようと思いますが。」
「ぜひやってみてください。」
 ブラジル原産のこの果物がうまく発芽し育つか。とにかくやってみよう。採種に残した1つの実は,だんだんしわしわになってきている。