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一斉に花開いた季節が終わって,若葉の季節が訪れた。山の緑が日一日と増えていく。まだ初々しい緑である。もう5月といってもいいくらいの陽光を受けて,まぶしいくらいに光っている。 久しぶりに海岸近くを車で走る。アカシヤが芽を吹いている。そう言えば,気高町の町花はアカシヤであった。町花として制定されたのは昭和49年11月3日,町合併20周年を記念してのことである。 『アカシヤ』と私たちは普通呼んでいるが正確には『にせアカシヤ』『いぬアカシヤ』『ハリエンジュ』。どうもあまり聞こえのよい名前でない。同じことを思った詩人がいた。彼はわざわざ本物のアカシヤを見に行く。 「彼は,しかし,本物の二本のアカシヤを眺めたとき,安心した。なぜなら,にせアカシヤの方が ずっと美しいと思ったからである。」(清岡卓行著「アカシヤの大連」より) 私も彼に従おう。5月になったらこのたくさんのアカシヤの白い花の房から,甘い香りが一面に漂うだろう。 いつもは5月に植えている夏野菜だが,この気候の様子から見て,今年はもう植えなければならないようだ。キュウリ,トマト,ナス,ピーマンそれぞれに5本ずつの苗をいつもの店で買い求める。 |