そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.211  展覧会の写真 

 この春自然観察の会で行った沖縄旅行の写真展を行うという。さてさてどんな写真展を行うのやら。私の場合,デジタルカメラで撮ったものしかないから,いいものはないのはわかっているが,出品しないわけにはいかない。なんとかアルバムの形にまとめて送ったが,考えてみれば自分達で開く会だから自分達で展示作業もしなければなるまい。

 作業に行ってみて驚く。みんな額に写真を収めて立派なのを準備しているではないか。なかなか立派な動植物の姿を捉えている。
 トカゲやトビハゼ,マングローブの景色はもちろん,こいのぼり,ああそんな場面もあったっけ。花々も美しい。とても素人とは思えないほど。
 なるほど,沖縄であんなに一生懸命写真を撮っていたわけがわかった。私は自分で楽しみ,理解するために撮っていたのに,そうだったのか。写真展前日の午前中かかって展示作業を終える。

 NHK鳥取放送局一階ロビーにおける写真展の期間は,8月3日(日)から10日(日)まで。その間会場の当番が割り当てられた。私は3日目の午後1時からということだったが15分ばかり早く着いてみると,午前の当番の人が暇を持て余しておられる。
「昨日は45人と記録されていますが,今日はこれだけです。」
と言われるメモを見ると12・3人ばかり。テレビで紹介された初日2日目は3・40人あったが,そうそうは続かないらしい。西表島の「星の砂」や「セイロンベンケイソウ」の苗もお土産に準備しているのに。

 それでも午後十人ばかりも見えて,夕方には清末会長も陣中見舞いに来られた。
「島袋さんも今度の会は一緒になりますから。」
「そうだそうですね。とても楽しみにしています。」
 9日には雨滝で月例の観察会があり,そのあと会食も予定している。この展覧会にも作品を出しておられるから話に花が咲くだろう。

 そう思っていたら台風十号の来襲。7日の沖縄発着の飛行機がすべて欠航となってしまった。沖縄本島の瞬間最大風速五十メートルとか。
 幹事の松田さんから電話が入る。
「島袋さんが来られないことになったので,会食は中止します。」
 あの赤いデイゴの花と台風との関係はまだ続いている。