そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.216  公民館(市町村合併あれこれ3)

 勝見公民館は31年も前に建てられたもので,大きな修理もなされていない。屋根の塗り直しもしてこなかったためか雨漏りなども見られるようになってきた。壁の崩れそうなところもある。我が家と築年数は同じくらいなのだが,手を入れてない分痛みがひどい。何とかしなければならないのではないかと言う話が持ち上がったのは,今年になってからのことである。

 区長が代わって,急に改築・改修工事の方向になってきた。というのも,合併問題が絡む。つまり,このたびの大規模合併以後の新市の取組みにおいて,小地域の公民館工事などについては先送りになるであろうという憶測が飛び交っているのである。確かに普通考えて見ても,目玉になるような事業であればいざ知らず,ちっぽけな勝見の公民館など見ていられないだろうという状況が予想される。

 勝見公民館等の諸施設をどうするか,私たちは特別委員会を立ち上げて検討会を持つ。役員会でもたびたびその問題について話し合った。現在の場所は,共同浴場の裏にあり,出入りがしにくい。駐車場もない。別の場所に建てるのが最善の策だが金がない。
 結局現在の建物を大規模改修するということになった。それでも1千万近くの金がかかる。町からの補助が3分の1あるというが,後は住民負担となる。班長会を持つ。班会議も開いてもらう。さらに臨時総会を経てようやく決まった。
 これから工事に向かっておそらく完成まで2ヵ月ばかり,さまざまなことが入ってくるが,なんとかやっていくしかない。

 公民館だけの話でなく,合併を前にしてさまざまなうわさがある。現鳥取市ではどんな話が持ち上がっているかは知らないが,町村部では,大規模合併で地域切り捨てというものだ。本当にそうなるというのなら忌々しきことで,弱者切り捨ての行政となる。
 たとえば「福祉」。現鳥取市と合併を予定している他町村とでは,サービスに相当の違いがあるという。町村の方が量も質も上だというのだ。
 人口・面積とも「山陰第一の都市」との触れこみだが,大きいこと必ずしもいいことではない。

 私が少し関っていてこれまで取り上げてきた3つの問題についても,金が絡み,人がかかわり,地域感情がもつれる。バブル崩壊,国の経済破綻に大きな原因があると思われる平成の大合併。その辺りのところ不安を取り除くような説明がほしい。
 国も地方行政も,末端を苦しめるようなことでは政治をやっている資格がないというものだ。