そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.220  スイスの旅から

 素晴らしいスイスの旅だった。
 なにより天気に恵まれた。とくにアルプスの観光は快晴に恵まれ,予定通りのことが,予定通りに実行できた。添乗員の吉村さんは,当日バスの中で,
「アルプスの観光と言っても,いつも晴れるというものではありません。アルプス観光のうち,3日とも晴れるということはほとんどありません。1日でも快晴に恵まれたら幸せです。ガイドブックの写真だって,何日も泊まりこんで撮った中から,最高の写真を載せているのです。」
と,予防線を張るように話していた。
 
 今年大きな話題になったヨーロッパの猛暑。8月初めにイギリスに行っていた長男が,「暑さ対策をした方がいい」と心配してくれた。かと思うと,前述吉村さんは,「寒さの準備もした方がいい」と言う。
 確かにインターネットで調べて見ると,低地の都市部でも最低気温12℃,最高気温も28℃,8月下旬も後半になるほど雨の日が多い,という予報である。山岳部では,おそらく10℃以下になることもあろう。

 そうなると私達は両方の用意をしなければならなかった。Tシャツ,半袖シャツなどを1週間着替えができるほど持ち,長袖シャツにウインドヤッケ,セーター,手袋も一応準備した。韓国旅行のとき日本茶も飲めなかったので,湯沸しポットも持った。そんなこんなで荷物がこれまでよりずいぶん多くなった。

 しかし,山は我々に微笑んでくれた。吉村さんが言った「めったにない」ことが起こったのだった。マッターホルンもユングフラウもメンヒもアイガーも雪をかぶり氷河を抱いて我々を迎えてくれた。
 ロイス川にかかるカペル橋のあるルツェルンの町でも,バスで移動中に降っていた雨が,見学になると不思議にやむのだった。
 さすがに牢獄にも使われたというモントルーのシヨン城では,囚人達の思いが雨になったようだが,最高のスイスの旅を楽しんだ私達であった。
 しかし,実は最初のローマに到着した日はたいへんだったのである。さて,それはどんなことだったのか。

 アルプスの自然の美しさ,スイスの歴史と文化について,来週月曜日辺りから「旅行記」に掲載の予定。現在,メモとパンフレットやチケットなどの資料,旅行ガイドブック(主に,るるぶ『スイス'03〜'04』),200枚ほどの写真を整理中。ご期待下さい。