そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.223  町民運動会

 浜村地区町民大運動会は,9月21日(日)浜村小学校校庭で開催された。台風15号の影響でときおり強風が吹く中,28種目にわたって熱戦,熱演が繰り広げられた。
 私は勤めていた間は勤務先の学校の運動会を優先するので,地元の運動会を見ることはほとんどなかった。従って,部落対抗の選手などにも選ばれることはなく,あまりあてにされない一人として過ごしてきたのだった。

 しかし,退職して,しかも役員を引き受けているとそうもいかない。もちろん年齢からいって選手になることはないが,応援くらいには行かなければならない。久し振りに昼食も含めて,ほとんどの種目を観戦することにした。

 私の住む勝見は,何年か前まではこのようなスポーツに大変強かった。公民館に揚げてある賞状額は,そのほとんどが一位のものである。何か「勝たなければならない」というような雰囲気の人が多かった。
 しかし,いつまでもそうはいかない。

 先ず過疎の問題。転出する家庭が多い。「昔は170軒近くあった」と話によく聞く。実際,私がここに住みだした頃でも150軒以上はあった。それが現在は120軒。30年ほどで四分の三に減っている。もちろんそれだけ(それ以上に)人口が減るわけで,何かをしよう,と言っても参加できる人数がだんだん減ってきている。

 次に少子化の問題。いや,これがもっとも大きい問題だろう。新興住宅地では人口が増え,それに伴って子どもの数も増えている。逆に勝見のような古くからの地区では過疎化が進み,人口が減少し子どもの数も激減する。勝見の小学生の数を取ってみても1年生から6年生までの数が20年ほど前の1学年分しかないのである。これでは対抗戦をしても勝てるわけがない。今年は中学生のリレーもチームができなかった。
 子どものいない家庭は運動会への参加も少なく,戦力はさらに減少する。

 さらに,老齢化の問題。老人だけの家や,一人住まいの家庭が増えている。こういう人たちは「運動会」どころの話ではない。
 つまり,現代の社会問題がそのままのしかかっているのである。「勝つこと」を目標にしていた時代とは違っている。そのことを先ず認識しなければならない。
 それでも今年は優勝種目があり,総合成績も2位,応援席も多いに盛り上がった1日となった。やっぱり勝つことで盛り上がるのが最高ではあるが………。