そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.228  美術展見て歩き

 現代美術二人展は,9月1日から15日までコミュニティプラザ鳥取百花堂で開かれた。「二人」というのは谷口俊氏と船井武彦氏。案内をもらっていた。
 百花堂は我が家からは比較的近くて車で20分ほどで行くことができる。展示スペースはあまり広くないが,ちょっとした個展をよくやっている。
 船井氏の「ドローイング・スペース2003」は,先日のギャラリーあんどうでのときような,壁面全体で感じたものとは違って,核のようなものを感じる。宇宙で言えば,星雲から何かが生成されつつあるというところか。
 谷口俊氏の「宙根体」。これは不思議な物体である。アメーバのようにどんどん成長して,地球を覆い尽くしてしまうのかもしれない。

 船井氏からの礼状の一部。
「先日は、残暑厳しい中、お越しいただきありがとうございました。会場にいなくて申し訳なかったです。
 二人展は会場の空きがあって誘いがかかり、前回のあんどうギャラリーの個展以降制作した作品を展示しました。
 また、機会があればご感想など聞かせていただければ幸いです。」

 モネ展は,島根県立美術館で開かれていた。私はモネの展覧会を一昨年山口市で見ている。中国地区校長研究大会の合間を縫って見たのだった。それまでにも断片的には鑑賞したことはあるが,彼の作品をまとめて見たのははじめてであった。そのときの印象が強く残っていて,「もう一度見るか」と妻と出かけた。

 つい何日か前にも松江の辺りを通ったばかりである。No.226やNo.227で「宍道湖自然館」や「三瓶自然館」のことを書いているが,美術館にもふれておきたい。やっぱり島根県はこういう施設の面ではよくやっているということ。「はこものばかり……」という声もあるが,鳥取県は何事もなかなか進まない。美術館もいつのことになるやら。

 さて,モネ展。私としてはちょっとあて外れか。山口での印象が強かったためか,あのときのような感動がなかった。有名な「睡蓮」にしても,あの透き通るような作品がない。同じテーマでモネが描いた作品は何十点もあるのだろうから,いろいろあるのだろうけれど。

 わたせのぶあき展(ギャラリーあんどう)。わたせさんについてはこれまでたびたび名前を聞いているように思う。私も何かで関係したこともあったと思うのだが思い出せない。あるいは何もなかったのかもしれない。
「画歴を書いたようなものはありませんか。」
と尋ねると,
「これでいいですか。」
と,名刺を下さった。「日本美術家連盟会員」とだけあった。作品は,半抽象というのか,半具象というのか,わかりやすい。
 しかし,美術の世界も広い。