そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.230  茸狩り

 私がこの会に入って1年が経過した。
 1年前のスタートに帰って,今回も池田家墓所付近の茸狩りである。
 今回ようやく沖縄の島袋先生の来鳥が成り,いっしょに観察会を持つことができた。「飛行機もJRも全部とっていたのですが」と,台風で飛行機が飛ばず残念な二ヵ月のことを先生は語る。風速70mを越える風など考えられません,と私たちは言う。

 ここ1週間ばかり雨が降らない。
「茸は少ないと思います。しかも,猪があちこち掘り散らかしていますから,多くの収穫は期待できません。でもゼロということはないでしょう。」
 清末先生の話の後,山に入る。

 ない。茸がない。私は,僅かにハツタケの収穫があったがその後は全くない。食用にはならないがサルノコシカケの小さな物を一つ採っただけ。
 去年の記録を昨日見たが,やはり暑い日だった。「26.1℃」とある。それでもみんなで集めて見たらけっこうな数の種類と量が集まったものだった。今回ははるかに少ない。蚊が多く,蜘蛛の巣もやたら多い。これじゃあ会食の汁の具にもならないかもしれない。

 ところが一つの茸を見る清末先生の目が光った。
「この茸はこれだけでしたか。」
 採集したMさんはどぎまぎしながら答える。
「いや,まだありましたが,これだけしか採りませんでした。」
「これはおいしい茸です。汁にはこの茸だけあればいい。残っていたら採ってきましょう。」

 早速Mさんと清末先生が,もう一度引き返して採集に向かう。我々は待つ。
 30分ほどの後に二人がもたらした収穫はすごいものだった。ナイロン袋いっぱいの茸。これだけあれば,しっかり味わえる。ここに来たときから私たちにつきまとっている白猫にも,椀の肉を少し分け与えた (彼女(?)は茸を食べない) 。

 夜,島袋先生の歓迎会。沖縄旅行をいっしょにした人のほとんどが集まって,先生の来鳥を歓迎した。茸も鍋に入っていてもう一度味わうことができた。

 明日・明後日は,島袋先生歓迎の意味も含めて大山付近の観察を予定している。