そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.254  水鳥公園(大学時代の同窓会3)(大学時代の同窓会2)

 同窓会の2日目,会員のS君が米子水鳥公園の館長をしていて,「今の時期はコハクチョウがいっぱい来ているから是非見て欲しい」という。そういえば同窓会の案内に水鳥公園のパンフレットが入っていた。
「館長さん自らの解説が聞けるわけだ。」
ということで,2日目の見学が決まった。

〜〜 中海は,コハクチョウの集団越冬地としては西日本最大の飛来地となっています。かつて,中海には,コハクチョウのねぐらがたくさんありましたが,干拓によってねぐらとなる浅瀬が次々と失われました。そして,米子市の彦名干拓地にできた池が,コハクチョウにとって最後に残されたねぐらとなったのです。
 そこで米子市は,この野鳥生息地を保護するとともに,市民が自然と触れ合う公園として整備し,平成7年10月22日に米子水鳥公園がオープンしました。現在,毎年約100種類,最大10,000羽以上の野鳥が確認される,西日本屈指の野鳥の生息地になっています。〜〜(「米子水鳥公園パンフレット」より)

 皆生温泉は日本海に面しているが,水鳥公園は中海に面している。弓浜半島を横断することになるので車で20分ばかりかかる。
 朝7時旅館を車に乗り合わせて出発。朝が早いが,そうしないとコハクチョウたちは餌場のほうに行ってしまうそうだ。朝食は帰ってきてからとることにする。ちょっと二日酔いの人もあるが,まあ酔い覚ましによかろう。

 公園近くなると,もう飛び立ち始めているコハクチョウが見えた。
「ここでは餌を与えたりはしません。自然のままの姿を見て欲しいからです。だから,コハクチョウはこの周辺の田んぼに餌をもとめて飛び立っていきます。そして,夕方になるとまたここに帰って来て休みます。」

 ネイチャーセンターの観察ホールからつばさ池に浮かぶコハクチョウ,マガン,カワウなどが観察できる。中でもコハクチョウは何百羽もが浮いていて,さらに10〜20羽が群を作っていっしょに行動をしている。多分「家族の群」なのだろう。
 群にはどんな約束事や合図があるのか,しばらく毛繕いなどをしながら泳ぎ,大きな集団から離れて池の沖合いに出ると,飛行機が滑走するように水面を滑って,風上に向かって飛び立つ。やがて池の上を旋回して西の空に去って行く。あれは,島根のあたりを目指しているのだろうか。
 朝日が光の筋を雲間から放射状に落とす中を,群は次々に次々に飛び立ち去って行く。