そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.257  赤い実(大学時代の同窓会2)

 晩秋から冬にかけて,なぜか赤い実をつけるものが多い。
サンシュユ(山茱?) 早春の黄金色の花は見事だが,秋に実をつけ,冬に葉が散って残る実はさらに美しい。「秋珊瑚」といわれる所以である。この実は滋養強壮の漢方薬として,また,サンシュユ酒は冷え性,低血圧にもよく効くとか。我が家のものはハナモモと競争してどんどん大きくなって却って邪魔になるので,今年思いきって枝を切り詰めたら実が少なくなってしまった。

ピラカンサ(中国語で火棘フォチー) 中国原産というこの花木は,非常に結実しやすくものすごい数の実をつける。実はオレンジ,黄色,赤があるが我が家のものは赤,鉢植えしていたが地におろしたところ実の付きがさらによくなった。ただし,この実は鳥が好んで食べるので,地ものの観賞期間は短くなる。鳥だけでなく,人がこれを食べて飢えをしのいだという話もあり,果実酒としてもおいしいと本には書いてある。

ナンテン(南天) この木を屋敷の中,できれば北西の方角に植えておくと厄除けになるといわれている。これは,「難を転ずる」という語呂合わせから来ているらしい。実際,実は咳止め,葉は悪酔いや車酔いなど,風呂に入れて湿疹やあせもによいという。この実も小鳥の大好物。我が家のものももう大半が食べられてしまった。

 さて正月飾りといえばセンリョウ(千両)・マンリョウ(万両)は縁起植物。これにカラタチバナ(百両),ヤブコウジ(藪柑子・十両)などを組み合わせて花を生ける。このうち,寒さにあまり強くないカラタチバナは我が家にはない。センリョウは黄色の実のものが一株,マンリョウはかなり繁殖力が強く何株か,ヤブコウジは庭に自生して,妻はあまり広がらないよう引っこ抜いている。

 多年草のオモト(万年青)も赤い実をつける。徳川家康がこよなく愛したという言い伝えがあり,古くから人気があったもののようだ。寒さにも強く,我が家でも数カ所にわたってその青を保っている。
 マユハケオモト(眉刷毛万年青)がオモトと同じ仲間なのかどうかは知らない。強い日差しと寒さには弱いが,これも年中厚い緑の葉をつける。近所からもらったものを株分けし,種蒔きをし,7・8株鉢に育てている。眉刷毛(見たことはありませんが)のような花の後,緑の実ができ,冬には赤く熟れる。

 赤い鳥,小鳥, なぜなぜ赤い。 赤い実を食べた。(北原白秋)
 さて,赤い鳥はどんな鳥。どこにいる。