そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.262  冬景色(大学時代の同窓会2)

「冬景色」(文部省唱歌)という歌がある。つい最近まで小学校の教科書に載っていたものである。
   1.さ霧消ゆる湊江の 舟に白し朝の霜
     ただ水鳥の声はして いまだ覚めず岸の家
   2.烏鳴きて木に高く 人は畑に麦を踏む
  げに小春日ののどけしや かへり咲の花も見ゆ
   3.嵐吹きて雲は落ち 時雨降りて日は暮れぬ
     若し燈のもれ来ずば それと分かじ野辺の里

「1番は水辺の朝,2番は田園の昼,3番は夕べの里と,それぞれ格調高い言葉でうたい表している。」というが,私にはピンと来ない。多分これは太平洋側に住む人たちの見た冬景色だろう。
「舟に白し朝の霜」はこのあたりの漁港でも見られる景色である。麦を踏んだ経験は私にもある(50年も前のことだが)。「返り咲きの花」はよく見られる。時雨も普通の現象だ。しかし,雪のない山陰の冬景色はない。

 そう思っていたら雪になった。今年初めての積雪である。
 このあたりの人は,「鷲峰山に3度降ったら里に下りてくる」と言っている。その言葉通りになった。
 降水確率と最低気温(降水確率が高く,最低気温が3℃以下だと雪になる確率が高い)の予報を見ていると大体の予想は立てられるので,前日に車のタイヤ交換はしていた。

 雪のために道路の交通機関が乱れるのは最初の積雪であることが多い。雪に慣れた人たちは分かっていて,事前に準備をしてしまう。しかし,「まだいいか」と高を括っている人や,雪の経験の少ない人が迷惑をかけることになる。
 長距離トラックなどは雪道用のタイヤなどを準備をしていないこともあり,思わぬ雪道で接触事故を起こしたり,スリップして動けなくなったりで,大渋滞の原因になるのである。
 今回も鳥取の積雪15pとそんなにたいした雪ではなかったが,やはり国道は相当混雑したようだ。

 22日は冬至。「冬至冬なか冬はじめ」(冬至のころは最も日が短く冬の真中のようだが,実は冬の初めである)。柚子湯でもして温まろうか。