そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.265  カレンダー大学時代の同窓会2)

 新しい年のカレンダーをどれにするか,年末にもらった10種類ばかりのものを眺めて考える。
「2004年カレンダー(くどうなおことのはらみんな作・ほてはまたかし版)」は,版画カレンダーで,なかなか味がある。1月は,
「ひらひら ももんがももこ/ちっちゃいころは トランプみたいでした ひらっ/いまではハンカチくらいです ひらひらふわり(以下略)」という詩に,ももんがが飛んでいる絵である。居間に掛けて,毎月詩と絵を楽しむ。

 妻は書き込みのできるものを食事の部屋に掛けている。毎月の予定を書きこんで確認できるようにしているのだ。仕事と趣味と,彼女もなかなか忙しいようだから,書きこみの部分が多い方がよいようだ。これは捨てないようにしておけば,1年の記録にもなる。
 私は月の予定はホワイトボードに書き込んでいるのでその必要はないが,月が代わると消してしまうので,手帳のカレンダーにメモすることを忘れてはならない。そんなわけで私の手帳は10年ばかり保存している。

 トイレには毎年花屋さんのカレンダー。妻が生け花でお世話になっている店らしい。特に意味はないが,人間なんとなくほっとする空間には,花がふさわしいのかもしれない。
 六曜の意味はよく知らないし,大安がどうの仏滅が何だのというのを信じているわけではないが,たとえば葬式があれば,「友引にはしないだろうな」と思ってしまう。人間なかなかそんなつまらないことから抜けられない(私も結局そうなんですね)。となると六曜の付いたカレンダーも一つくらいあった方がいいかなと思って,それも掛けている。

 もう一つ,今年はいいカレンダーが手に入った。
 話は,絵画を扱っているSさんが初夏の頃持ってきた画家清水信行氏の作品1枚を買ったところから始まる(ほんとはもっと前からの話もあるけれど省略)。Sさんは,
「名前が似ているので,もうこれは清水行人さんに買ってもらうしかないと思った。」
と言うが,まあそれは話半分として聞いて。小さな風景画だったが,青を主体とした作品で,東山魁夷にちょっと似た画風で,なんとなく気に入って買うことにした。

 12月初め頃Sさんが訪れた。私は,
「まだ金を払い込んでいません。そろそろ払い込もうと思っていたところです。」(年末までに払い込めばいいという約束になっている)
「いや,そんなことを心配しているわけではありませんが,歳暮代わりに。」
と言いながら,清水信行氏のサイン入りのカレンダー「心の山・河・森」を出してきた。

 もちろん早速払い込みを済ませて,新しい1年,カレンダーの日本画も楽しもう。