そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.270  左義長大学時代の同窓会2)

 町内の有線放送で,
「1月11日,第4回『サギチョウサミット』を開催します。」
と言っている。「サギチョウ」と言ってもあまり耳慣れない言葉だ。酒津の「とんどさん」のことも言っているようだから,鳥の「鷺」のことではなさそうだし,もちろん「詐欺」ではあるまい。広辞苑で調べる。
〜〜さぎちょう【三毬杖・左義長】(もと,毬打を三つ立てたからいう)正月十五日及び十八日吉書を焼いた儀式。禁中では清涼殿の東庭で,青竹を束ね立て,毬打三個を結び,これに扇子・短冊・天皇の吉書などを添え,陰陽師等が集まって謡いはやしつつ焼いた。民間では,長い竹数本を立て,正月の門松,七五三(しめ)飾・書初などを持寄って焼く。その火で焼いた餅を食えば,年中の病を除くという。(以下略)〜〜

 この儀式が民間行事として残っているのがとんどさん(どんどやき,とんどうさん等)である。全国的に行われているこの行事の中で,特に無形文化財として価値あるものを集めてサミットを開催するということらしい。
 勝見のとんどうさんも昔から行われているが,子どもを中心に据えて二日がかりで行う酒津のとんどうさんは全国的にも有名らしい。今回のサミットを機会にぜひ今年の「酒津とんどう」を見に行きたかったが,勝見の役員をしている関係で,「勝見とんどう」の準備もあり行けなかった。

 サミットに参加した妻から感想を聞く。詳しくは記述のスペースがないので要点のみ。
 今回の参加は,愛知県南知多町の「左義長まつり」,滋賀県近江八幡市の「左義長まつり」,福井県勝山市の「勝山左義長まつり」,岐阜県平田町の「今尾左義長」と,地元気高町酒津の「トンドウ」の5地域であった。
 他県のものは「祭り」として定着していて,たいへん派手で賑やかで盛大である。それに較べると酒津のものは,規模も小さく,地味である。しかし,若衆宿の原型を残すなどしっかりした地域作りの基盤を継承しているのではないか。

 私は,12日朝の勝見のとんどうさんのことを思っていた。以前は14日にしていたこの行事が,成人の日に行われることになってまだ3年ばかりにしかならない。そのこと対する反対意見がいまだにあるという。また,去年8時開始にしたのに「遅すぎる」との意見が出て,今年7時開始に逆戻りしてしまった。その結果子どもの参加は一人もなし。
 みんなが参加できる行事への改革の必要性をもっと説かなければならない。特に子どもが参加する行事は少ない。それをどうしていくか。子どもの活動の活性化なしには勝見の衰退は止められないと思うのだが。