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「明けましておめでとうございます」は正月のあいさつ。わざわざ「謹賀新年」という人もあったが,そこまですることもなかろう。 「晩なりました」は大人になってからのあいさつ。朝が昼になって,晩になる。その時間の経過を考えるのは子どもにとって必要のないことだ。「もう暗くなるから帰りなさい」と呼ばれるまで遊んでいればよかった。 「寒くなりました」「よく降りますなあ」などの天気のあいさつはたくさんある。日本には四季があり,天気の変化にも富んでいて,それによって1日の作業や行事も左右されることも多いのであいさつに使われる。でも,「よい天気」はだいたい「晴れ」をいう。久し振りの雨でも「いい天気ですなあ」とは言わない。 「ごめんください」はよそのうちを訪ねるときのあいさつ。最近はインターホンで話したり,誰が来たかをモニターカメラで確かめたりしないと入れてもらえないこともある。それだけ人間が信用できなくなったということ。 「ご苦労様でした」はねぎらいのあいさつ。上司が部下に対して使うもの,という。部下が上司に対しては「お疲れ様でした」と言うのだそうだ。たいしてお疲れでなくてもそう言うものだそうだ。 「さようなら」は別れのあいさつ。毎日の別れ,旅の別れ,職場の別れ,生別,死別,あらゆる別れに使われる。私もこれまで何度「さようなら」のあいさつをしてきたことか。 |