そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.287  旅の計画

 旅行は私の楽しみの一つである。海外・国内を問わず年に何度か行っている。海外は残念ながら言葉がほとんどできないから,パックツァーになってしまう。国内は,日帰りから1泊・2泊まで,飛行機を使い,JRを使い,自家用車を使ってあちこち出かける。
 旅行は計画が楽しい,と書いてあったのは『超旅行法』(野口悠紀夫)だったか。どんな旅行であれ確かにその通りだ。実際の旅行は,いろいろと問題がありトラブルもあり,いやになることもあるが,計画の段階ではそれらを予想し,消していくわけだから,これから実行する旅行のよさや楽しさを描く過程といえる。

 旅行先や旅行目的が決まると,私は地図を見る。飛行機やJRを使うときは,空港や駅からの地図でどんな観光ができそうか調べる。自家用車のときは,どれだけの道のりか,どれだけの時間がかかるかを計算する。妻との旅行だと交代で運転するので,かなりの距離を走れることになる。食事の場所もだいたい決めておく。

 ホテルや旅館は,旅行ガイドブックなどで調べるが,できれば共済関係の宿泊所を使うようにしている。料金が大違いだからだ。現職ではないので,休日・祝日・連休シーズンを避けることができる。観光施設の休みなども調べて日にちを決めることも大事だ。
 現職のとき,思いついて丹波笹山を訪ねたことがあった。泊まるところを決めていなかったので,途中のサービスエリアで聞いて電話で予約をした。空いていればこの方法で十分だが,決して値段は安くないから気をつけなければならない。気心の知れた旅行業者にホテルだけ取ってもらうのもいい方法だ。

 新聞で展覧会の情報を得ることもできる。東京,大阪,京都などの主な舞台や展覧会なども気をつけてみる。わざわざそれだけを見に行くことはできないが,なにかと抱き合わせて観劇,観覧ができる。逆にそれを中心にしてなにかを抱き合わせるのもいい。
 インターネットだと,それらの情報とあわせて交通案内も得られるから便利だ。ホームページに掲載されている市町村観光案内も役に立つ。

 海外のパックツァーには,そのような楽しみは少ない。しかし,フリータイムが何日かは入っている。そこになにを入れることができるので,やはり旅行雑誌などで調べておく。
 それよりなにより,海外旅行では旅行が成立しないこともよくある。 
 パックツァーではなかったが,3年ほど前に職員旅行で韓国に行こうということになった。ほとんどの職員が参加するということだった。ところが,アメリカ同時多発テロが起こった。「そんな心配はない」と言ったのだが取り止めの職員が相次ぎ,最終的には3名のみの参加となった(しかし,この韓国旅行はなかなかよかった)。
 海外旅行は,世界情勢,伝染病や戦争,テロなどに左右されることが多い。申し込みの時点で,もしもだめならと,第2・第3の候補地や日程を考えておくとよい。

 事前にある程度の知識は仕入れて行くにしても,海外のことはわからないことが多い。百聞は一見にしかず,見てはじめてわかることのほうが多い。終わってからその国の歴史や暮らしをもう一度本で調べる。そうすると実によくわかる。
 わかったら自分なりの旅行記にまとめる。
 これが私の旅行法である。