そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.289  焼き物の里を訪ねて(北九州)1

 焼き物の里めぐりを思いついた。これまで萩焼,備前焼,九谷焼,立杭焼,信楽焼などを見てきた。しかし,全国的にはまだまだ,特に九州には多くの窯がある。
 佐賀県辺りに的を絞って考える。JRや飛行機を使えば結構高くつくし,自由がきかない。車だとどのくらい時間がかかるだろうか。地図で調べると高速を使って一般道の部分も合わせると約600km,昼食,休憩も合わせて7時間半から8時間。二日目を焼き物観光中心にするとして,二泊三日の計画を立てればなんとかなりそうだ。

 2月25日,天気は快晴。朝6時45分出発。早く着けば,吉野ケ里遺跡などの観光もできるかもしれないと,朝食をすませてすぐ出発。羽合道路から179号線に乗り,蒜山で米子道に乗ればよかろう,と思っていたら179号線で道が分からなくなった。一般道は標識がわかりにくいことがあって,こんなことがよくある。
「だからカーナビが要るんだ」などとぐちの一つも出てくる。なんとか米子道に出る。ここからは料金所も検札もなくスイスイ。中国道はいつ走っても交通量が少ない。
 鹿野サービスエリアで昼食。11時30分。この調子だとずいぶん早く到着しそうだ。
「大宰府天満宮に行って見よう。この間テレビで梅が見ごろと言っていた。」
 予定はいつも未定。軽く変更になる。

 大宰府の料金所で9700円を支払って,道を尋ねる。案内表示を探しながら走り,ガソリンスタンドで給油しながら天満宮の駐車場を訪ねると,「分かりません」。「なんで分からんのだ,ここに勤めていながら」。面と向かっては言わなかったが,口の中でぶつぶつ。
 市の花になっているのか奨励しているのか,町のあちこち,家の庭にも梅が多い。なんとか駐車場着。両側に店の並ぶ参道を800mほど歩いたところに天満宮はあった。平常日だが人出が多い。受験シーズンということもあろうし,この暖かさと梅の見ごろに浮かれてという人もあるだろう。

 紅梅,白梅いっぱいに咲き誇っている。それをカメラに収める人もいっぱいだ。最近はカメラ付き携帯で写す人やデジタルビデオの人も多く,なかなか動かないから,構えて待っていてもシャッターチャンスがやってこない。
「飛梅」(写真)も人だかりがしている。
東風(こち)吹かば 匂いおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて 春な忘れそ  菅原道真
 このホームページ「No.280立春大吉」で,終わりの部分を「春をわするな」としたのを覚えている人もおありだろうか。『日本国語大辞典』(小学館)からとったものである。ところが,この飛梅の説明の木版には読めるか読めないか消えかかってはいるが,「春な忘れそ」となっている。どっちが正しいのか,私にはわからない。

 本殿では,坊さんが数人お経を唱えながら回っている。「えっ,なぜ坊さん?ここは神社のはずなのに。」
 お札を売っている巫女さんに聞いて見る。
「今日は天神様(道真公)の命日なので,お坊さんにお経を上げてもらっているのです。」
 まさに神仏混交だ。
 交通安全のお守りを一つ買う。今持っているのは,数年前に出雲大社で買ったもの。もう効き目が切れているかもしれないから。(続く)