そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.298  卒業式

 卒業式シーズンである。と言っても,高校は3月初めにしてしまうし,中学校もだんだん早くなって今年は9日にすませてしまった。どういうわけかだんだん早くなる。それでも小学校は,20日ごろを守っている。
 私の最終勤務校(気高町立逢坂小学校)の卒業式の案内が来た。私が関った子ども達が卒業するまでは,できるだけ出席することにしようと思っている。
 出席すれば祝電の必要はないが,勤務中の2年間に撮ったデジタルカメラの写真がパソコンに保存してあるので,その中から何枚かをプリントアウトしてお土産としよう。

 私がデジタルカメラを使い始めてから6年経つ。1台目は海外旅行中になくしてしまったので,2台目を使っている。5万円程度のものだがよく使ってきた。
 学校では行事を撮り,子供たちの暮らしを写し,家の出来事,四季の移り変わり,地域の行事等を収めてきた。

 海外旅行をすると200〜300枚くらいも撮ることがある。また,年間の記録写真は枚数もだが,いつのことかということが分からなければならず,その整理がたいへんである。短期間に多くのものを撮った場合,まず全体を見て,写りのよくないものを外し半分ほどにする。次に同じ場面の中からよさそうなものを選んで,さらに半分から4分の1ほどにする。そうやって選んだ写真をパソコンに保存する。

 多くの写真を保存する場合,名前をつけておくことを忘れてはいけない。そのときは分かっているつもりでも,時間がたつと忘れてしまうものだ。また,番号をつけて名前順に保存するのがよい。日付順に保存すると,途中加工した場合日付が変わってしまうからだ。番号は,全体が100枚以上(と予想される)なら001から始めるとよい。
 整理できたらまとまり毎に新しいフォルダにしまう。もちろんフォルダには名前をつける。こうして保存した写真の中からその時々に必要なものをプリントアウトする。

 式の前日,まだ準備が始まっていない昼ごろ持って行く。
「掲示できる場所があったら貼って置いてください。」
「ちょうどよかった。祝電・祝詞の掲示板に貼れます。」

 卒業式当日は,少し寒かったが快晴に恵まれた。どんな行事でも天気がよかったらそれだけで半分以上成功だ。
 時間になって校長の案内で式場へ。入り口でかなり緊張気味の卒業生に声をかける。
「おう,おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
 私が校長として勤めたのはこの子達が3・4年生のときだった。私には保存している写真のイメージが強いから,今の彼らの姿がずいぶん大きくなり大人びてきたと思う。今の姿に写真の姿を重ねながら見つめる卒業式だった。