そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.300  閏(うるう)

 今年は閏年,2月が29日まであった。閏年は4年に1回ある。2000年2月の全校朝会でこんな話をした。

「2月が29日まである年は4年に1回だけしかありません。これは地球の動きに関係があります。1年と言うのは地球が太陽の周りを一回りする時間です。普通1年は365日と覚えていると思います。ところが,太陽の周りを地球が一回りする時間は,ちょうど365日ではありません。日にちで言うと365.2422日,時間で言うと8765時間48分46秒08なのです。1年を365日で区切ってしまいますと,5時間48分46秒08余ってしまうことになります。そのぐらいどうでもいいと言うかもしれませんが,そうはいきません。100年もすると20日以上狂ってしまうことになります。一月近くも狂ってしまったら季節がおかしなことになりますね。そこで,5時間48分46秒08というあまりを約6時間として,4年に一度その狂いを調節する日を作りました。そして,その日を2月にくっつけることにしたのです。ですから2月が29日まであるのは4年に一度だけです。『うるう年』と言います。西暦(今年で言えば2000年ですね)を4で割って割り切れる年をうるう年としています。オリンピックのある年はうるう年と覚えてもいいでしょう。

 でも,もう少し細かいところまでお話しなければなりません。
 さっき『5時間48分46秒08を約6時間として』と言いましたが,細かく言うと6時間には少し足りません。その足りない分が100年たつと18時間43分12秒にもなります。そこでこれを約1日として100年に一度4で割り切れてもうるう年としない年を作ることにしました。4で割り切れる年をうるう年とすると言いましたが,それにつけ加えて『ただし,100で割り切れる年はうるう年としない。』をつけ加えます。『えっ,でも今年はうるう年じゃないですか』と思いますね。2000は4でも100でも割り切れます。それでは今年はうるう年ではないはず。そこで,もっと細かい計算になります。さっき『18時間43分12秒を約1日として』という部分に関係があります。1日には5時間あまり足りない時間を1日として引いているわけです。これは400年もすると21時間以上足りないことになりますそこで,さらにつけ加えました。『しかし,400で割り切れる年はうるう年とする』
 2000は400で割り切れますからうるう年,というわけです。」

「こんな話子どもたちには分からないだろうなあ」と思いながら話している。でも,中には興味を持って聞いていた子もあるかもしれない。そうであってほしいとも思う。

 話は今にジャンプして,今年は閏年であり,旧暦2月が閏月である。太陰暦は月の動きによって定められているので,ひと月29.530588日の12ヶ月(1年)分は太陽暦との誤差が大きくなる。そのために3年に1回,8年に3回,11年に4回,19年に7回閏月をいれるのだそうだ。
 今年は旧暦2月が2回あることになった。3月3日に合わせて出した我が家のお雛様には,旧暦3月3日まであと1か月辛抱してもらわなければならない。