そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.321  エンドウ・イチゴ……

 今年も季節が少し早く巡っているみたいで,畑の作り物も次々ととれ出した。スナックエンドウは毎年作っていて,去年の11月ごろに種まきしたものが今収穫期である。若いうちにとればすじもなく,鞘も柔らかい。朝適当にとってきて味噌汁に入れる。後油揚げでも,麩でも,ワカメでも,ナスでもいっしょにすればおいしくいただける。もう少しすると,大きく育つようになるから,すじをとってゆでてもよし,煮てもよし,おかずの一品となる。

 キャベツの苗をもらって植えていたのが,アオムシと戦いつつなんとか食べごろになった。玉を切り取ってみると,アオムシよりもナメクジの方が多い。害虫駆除の薬品を使っていないものだから,いろいろ食害を受けるらしい。アオムシは,それでも昼間は見えるところに出てくるので駆除できるが,ナメクジはいつでも日陰にいて,おいしいところを存分に食べていたらしい。これは一枚一枚点検しなければならない。面倒なことだ。

 イチゴは10株ほどしかないが,二人で食うのには十分。これも朝とってきて食べる。とにかくとれたて間違いなしだから新鮮さと味は保障つき。大きいのや小さいのやまちまちだが,何日か食べていれば平均化するだろう。今が最盛期。毎日の朝食のデザートとして食卓を賑わす。(というほどの量もないですけどね。)

 ところで,このイチゴにカラスが寄ってきた。大きくて熟れているのを選んで食べている。けしからん。「うちのを狙わなくても,隣の畑の方が出来がいいのだからそっちのを食べなさい」と言うのだがなぜかやって来る。何とかしなければならない。ネットがあれば近寄れなくなるのは確かだが,手元にない。いい加減な方法だと頭のいいカラスのことだ,すぐに見破られてしまうだろう。
 しょうがない,竹やら市販の支柱やら滅多やたらに突き刺しておいた。ついでに,荷造り紐の切れっぱしもめちゃくちゃに渡しておく。頭のいいカラスは「いったいこれはなんだろうか」と考え,答えが出せないに違いない。それもそのはず,答えはないのだから。
 1週間ばかりたつが,それ以後の被害はない。

 犬だか猫だかの被害もある。新しい畝を作って,石灰をまいて肥料を入れて,苗を植えようかと思っていると,明くる朝には足跡があり,糞をしたらしい跡もある。「柔らかくてしやすかったのだろうなあ」とも思うが,「この野郎!」と腹が立つ。まあ,多少は肥料を入れてもらっているから我慢するしかないか。