そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.330  芒種

 梅雨に入ってしばらく降って梅雨の晴れ間が続き,また雨。6月5日は芒種。
 芒種…芒(のぎ)のある穀物の播種する頃。ホタルが見られ始める。(『山陰の気象暦と潮汐』より)

   蛍火やこぽりと音す水の渦   山口青邨
 我が家の近くに水の流れがないので,蛍は見られない。しかし,ホタルブクロは今年も見事に咲いた。かなりの量刈り取って図書館などに生けたりしているがまだまだ残っていて,その上の月桂樹の剪定ができない。
 ホタルブクロ(蛍袋 釣鐘草,堤燈花)。山野,道ばたに生えるキキョウ科の多年草。六月ごろ茎上に白または淡紫で斑点のある鐘形の花を数個下向きにつける。ツリガネソウ,チョウチンバナの名は花の形からきている。花言葉,忠実,正義。

 紫陽花が咲き始めた。
   思ふこと紫陽花の花にうつろひぬ  内東名雪 
 梅雨の花の代表選手といえばアジサイ。
「漢字では紫陽花と書きますが,この花の色彩,形が見事に表現されています。しかしこれは漢名で,わが国では昔はアズサイと呼んでいました。アズは集まること,サは真,イは藍を省略したもので『集真藍』。つまり藍色の花が集まって咲く様をあらわしており,アズサイが転訛してアジサイとなりました。」(講談社『花を贈る事典』西良祐)

 プリムラ(西洋サクラソウ)が種のまき時を迎えている。
「そろそろまき時ですよ」と,勤務していた学校の職員には知らせているが,なかなか分からないかもしれない。種取りもきちんとしているかどうか。我が家の採種はほぼ順調に終えて,そろそろ蒔こうかなと思っているところ。
 去年育てたプランターのこぼれ種が芽を出してきているので,案外そちらの方がうまくゆくかもしれない。

 前述,「山陰の気象暦と潮汐」を見ていたら,「雨漏り点検の日,傘の日(11日)」というのがあった。なるほど,この時期,そういうことに気をつけなければならないだろう。今日も会合があって出かけていたら雨。妻も出かける用事があるといっていたが,洗濯物をしまって出かけただろうか。
 これからしばらくは天気予報があてにならない。
 いや,今も昔もあてにならない,などといいながら,少しはあてにしていろんな行事を計画したりしているのだが……。