そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.332 受章祝賀会

 今週は二つの受章祝賀会に出席した。いずれも春の叙勲の受章者のお祝いだった。私の身近で,滅多にないことが二つもあったのにまず驚く。

 一つは旭日双光章のYさん。町議会議員を32年間務めて引退された近所の方。地方自治の功績が認められたもの。同じ地区内なのでお手伝いしないわけにはいかない。
「発起人の会を開くので来てもらえませんか。」
と,発起人の代表が言ってきたが,私は,発起人には団体や地区の代表がなればいいと思ったから,
「仕事はしますが発起人はやめてください。欠席します。」
と,断った。ところがその最初の会で私も発起人として入れてしまっていた。勝手なことをするもんだと思ったが,まあそこはおさえて仕事はすることにした。事前の名簿作りや,当日の会場作りなどが主な仕事だった。

 当日は地区の人や,町・議会・社会福祉関係など100人余りが集まった。滅多にないこととはいえ,よく集まったものだと思う。
 3時間の会のうち1時間余りが挨拶,祝辞だった。話は長ければいいというものではない,という私の持論はあるが,しかし,会は大成功だった。

 もう一つは,瑞宝双光章の清末先生だった。会場が鳥取駅前のホテルだったので私がお手伝いする場面はなかったが,自然観察の会の何人かは受付けなどをやっていた。どれくらいの参加があるのかとちょっと興味を持ったので,受付の人に聞くと100人余りとのこと。ただし,こちらは近所の人よりも,さまざまな会を通して清末先生とつながりを持っている人が圧倒的に多い。
 動物園の園長さん,博物館協会の人,アトリエ学校の福田さん,絵絣作家,書家,元副知事,県教育委員………。実に幅が広い。それだけ先生の人間としての幅が広いということ。

 瑞宝双光章は教育功労賞だという。清末先生のそれは,単に学校の先生をしていたということではない。自分の専門である生物学,地学にとどまらず,歴史,民俗,文学など非常に広い知識(自分の手足とすべての感覚でとらえ自分のものにした)を,子どもたちはもとより,多くの人に伝え,広げてきたところにあると思う。毎月の自然観察の会に参加していて,つくづくそう思う。

 会はきっかり2時間。セレモニーは35分。これでいい。私自身久し振りに会う顔もあって,もう少し時間があればというところもあったが,そのぐらいがちょうどいいところなのだ。