そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.333 植物の仕組み(6月観察会)

 6月の観察会は,長尾岬を計画していた。日本海に突き出しているこの岬の自然を是非見てほしかった。ところがあいにくの台風接近。風の影響は少なく通過したものの,かなりの降雨は今日まで影響を残した。
 長尾岬のよさを感じてもらうには,やっぱり岩場に下りて日本海を目の当たりにしなければならない。雨のときなど危険を伴うこともあるので,今回は中止せざるを得なかった。またいい機会があると思う。
 そういうことで今回は,文化センターの教室で清末先生の授業と相成った。

「今日は,植物の仕組みについて勉強しましょう。これは,さっきとってきたスイレンの葉です。この葉の気孔は表にあるでしょうか。裏でしょうか。」
 水槽(本当は手元にあったたらい盥)にスイレンの葉をつけて,茎から息を吹き込んで実験。
「スイレンは葉の表面で呼吸をしているのです。では,どんな作りになっているか茎の様子を調べてみましょう。」
 茎の断面をインクで写し出して確認。導管がはっきりと判る。次はホテイアオイ。

「この空気が入っている部分の作りはどうなっているのでしょう。」
 我が家には,スイレンもホテイアオイもあるから,だいたいのことは判っているが,こうしてきちんと残る形で教えていただくのは楽しいものだ。あのホテイアオイの葉の下のぷっくりと膨らんだ腹には,空気の部屋がいっぱい並んでいる。

 続いて茎と根の話になった。ホテイアオイの腹は葉の部分,厳密には葉柄だそうだ。茎はそこから根までの僅かな部分。ダイコンでも,タンポポでもそうだという。ジャガイモとサツマイモの茎か根かについて,ジャガイモとトマトを同時に収穫する方法など,興味深い話を聞くことができた。
 そのほか,ホタルブクロのゆうずい雄蕊せんじゅく先熟の話,タンポポの話,カタバミの話,ホトトギスの話など,面白かったが詳述できない。

 お祝いにつける魚の話も教わった。「コブダイ,キンメダイ,マトウダイ」すべてタイの仲間ではない。赤い鯛でも「マダイ」と「チダイ」は大違い。チダイは色はいいが,味はいまいち,という。何を目安にするか。
 カキ(牡蠣)。雌の方が味がよい。その見分け方は?。牡蠣が雌から雄になったり,雄から雌になったりするとは,知らなかった。
 今日は,植物だけでなく生物のいろいろな仕組みや生態についていろいろと勉強をすることができた。