そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.338 端午の節句

 22日は旧暦の端午の節句。5月5日の子どもの日から1月半もずれているので,どこの空にも鯉のぼりはほとんど見られないが,民俗・風習はちゃんと残っていて,郡家町私都(きさいち)の姉から粽(ちまき)が届いた(写真)。
 粽は,少し日にちが経つと固くなるので,電子レンジで温めて,柔らかくして食べる。大きな笹の葉6枚を解いていくと,白いもち米で作った粽が現れる。甘味があっておいしい。昔からの味だ。

♪♪ 柱のきずはおととしの 五月五日の背(せい)くらべ 粽たべたべ兄さんが
   計ってくれた背のたけ きのうくらべりゃなんのこと やっと羽織の紐のたけ♪♪
            「背くらべ」(作詞・海野厚 作曲・中山晋平 大正8年)
 端午の節句の童謡・唱歌は探して見るまでもなく,ある。
「こいのぼり」では二つを上げることができる。

♪♪ 屋根よりたかいこいのぼり おおきいまごいはお父さん
   ちいさいひごいは子どもたち おもしろそうにおよいでる♪♪
            「こいのぼり」(エホンショウカ(ハルノマキ)昭和6年)
♪♪ お日さまのぼる もえたつみどり まごいがおよぐ ひごいがおよぐ
   のぼりを立てて みんながいわう よい子になあれ おおきくなあれ♪♪
            「こいのぼり」(作詞・不詳 作曲・井上武士 昭和17年)

 男中心だとか,戦争謳歌だとか言われることもないではないが,子ども達の気持ちをかきたてるこんな歌があってもいいではないか。そんな歌がないことのほうがおかしいのではないか。今の日本が,これから戦争をはじめることはまずないと思うし(いや,分かりません。でも,しないと私は思っています。),このような歌にこめられている本当の気持ちを分かろうとしない人たちの無知さ加減を悲しむ。
 
 ところで,いろいろ調べた中で,次の歌はなぜか見当たらなかった。
♪♪ たんたん端午のお節句に 食べたおいしい柏餅
   菖蒲も咲きますちらほらと お客に燕も参ります♪♪

 私がどこで覚えたのか分からないけれど,そんなに昔のことではないと思う。柏餅の味とともに覚えている歌である。柏餅「粳(うるち)の粉で作った餅の皮でアズキ餡または味噌餡を包み,カシワの葉に包んで蒸した餅菓子。これも端午の節句用。」(平凡社『俳句歳時記』)
           (引用歌詞は『こどものうた』のばら社編集部 より)