第2土曜日が雨に狙われているのか,今回も雨となってしまった。私都(きさいち)谷福地の滝での観察と聞いてちょっと楽しみにしていたのだが,残念である。私の40年ほど前の新任の地が私都であった。私が勤めたのは兵庫県との県境の僻地だったから,福地を親しく訪ねる機会はなかったけれど,何か思い出すものがあるかもしれないとひそかに期待していたのだった。
当日の12時前に「会場を文化教室に変更します。教室使用の都合で時間を早めて1時からにします。」との連絡があった。伊吹山の写真を何枚か持って行こうと思っていたのだが,時間がない。あわてて1枚だけ「クガイソウ」をプリントアウト。雨が降りしきる中を会場へと急ぐ。
会場には1時10分に着いた。担当者が「間に合いました。」と歓迎してくれたが,実際にはもう始まっていた。今回は,前回できなかったビデオ視聴を中心にした学習である。
ビデオは,清末先生が直接関って取材したもので,NHK,民放あわせて数本準備してあった。
コオイムシについての学習は途中だったので省く。この辺りでもよく見られるカブトエビ。田んぼの雑草を食べるので,クサトリムシともいう。大発生するときには豊年の前触れということで,ホウネンエビとも言われるとか。
カブトエビの人口孵化の実験の話も聞く。卵を乾燥させ,冷蔵庫に入れ,また温めると20日ほどで孵化するという。このような実験・実践があるから話題も豊富なのだ。
カタツムリの話も面白い。まず方言の話。
鳥取県では「デンデンムシ」と呼ぶのが普通だが,東北地方では「デロデロムシ」というとか。「出ん,出ん」と現状を叫んでいる(もちろん出てほしいという願いも込めて)のに対して,「出ろ,出ろ」と言葉で直接働きかけている認識の違いと言えようか。
カタツムリは雌雄同体だそうだ。つまり,1匹の中に雄雌の生殖機能があるということ。ところが,1匹だけでは産卵できない。雄役と雌役が必要で,それが次の生殖では入れ替わることが多いらしい。人間もそういうことだったら,男女の面倒なことが少なくなるかもしれない(いや,面倒なことが多くなるのかなあ。)。
カタツムリの子守りには感心させられる。50〜70産んだ卵を30分おきに舐めて回るそうだ。水分補給と汚れを取るためらしい。親ならそこまでしなきゃ。
動植物の世界は,ひょっとすると人間より優しくこまやかにできあがっているのかもしれない。
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