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朗読劇『この子たちの夏』(地人会 木村光一構成・演出)のチケットが手に入ったので見に行くことにした。会場が鹿野小学校の体育館なので,気軽に出かけられる。台風10号が,四国方面には大雨の被害をもたらした。しかし,鳥取県のこの辺りには長い長い風の後に少しばかりの雨を運んできて,また暑い夜を迎えていた。 鹿野町は町民演劇が盛んである。毎年町民による演劇が公演されている。県民文化会館で広く県民に演劇を見せたこともある。だからこのようにあちこちの演劇や,音楽の公演会を呼んで開催することもできるのだろう。 『この子たちの夏』は,副題に「1945・ヒロシマ ナガサキ」とあるように,1945年に広島・長崎に投下された原爆の犠牲となった子どもたちとその母の話を朗読劇にしたものである。 出演者は6名。岩本多代 大原ますみ 川口敦子 北村昌子 水原英子 山口果林。 さすが俳優,うまい。決してなりきってというではなく,朗読という範囲を越えないで,一人一人の個性を出しながら,読んでいる。「読んでいる」ことと,「演じている」ことのぎりぎりのところだろうか。 暑い夏の公演だった。しかし,収穫のある朗読劇だった。 |