そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.359  イングランド夏紀行3
二 エリザベスホテル
2 English Breakfast

 8月8日,ロンドン2日目。6時30分起床。昨夜は暑くて寝られなかった。一般的には冷房設備はないということだが,有料でつけることもできるとのこと。ガイドブックなどを見ても日本より気温は低いようだから,普段の生活では必要ないのだろう。従ってこの暑さは日本で言えば異常気象なのかもしれない。
 朝食はホテルの食堂でイングリッシュブレックファースト。
 トースト。「ホワイト・オア・ブラウン?」色の違いは原料の違いだそうだ。全部ホワイト(あるいはブラウン)でもいいし,半々でもいい。ジャムはホテルのオリジナルということでなかなかおいしい。メインの皿は,ベーコンと卵と大きなソーセージと焼きトマトとビーンズ。卵はスクランブルエッグかゆで卵(ゆで加減は希望を言う)。これらの中でいらないものがあればそう言えばよい。私はベーコンが辛いので,2日目からはやめてしまった。
 フルーツ(バナナ,オレンジ,りんご,みかん),コーヒーや牛乳,ジュースなどは自分で取りに行く。ティー(紅茶)を希望すればポットに入れて持って来てくれる(さすがティーの国)。これが毎日の朝食である。ガイドブックを見ても大体同じようなことが書いてあるので,イギリスの朝食の定番なのだろう。
 そう言えば日本の朝食の定番は何だろう。ご飯と味噌汁,たくあんと………,というのは昔の話。今はどうなんだろう。
 さて,今日はチケットを買ったりミュージカルを見たりと忙しい一日になりそうだが(いや,忙しいのは長男たちだろうが),それは次回に書くとして,ホテルについてまとめてしまいたい。
 今日の一日の予定を終えて帰ると,新しい部屋に変わることになった。このホテルは滞在型のホテルである。今度の部屋は4階にあり昨日の部屋の倍以上の広さがある。ダブルベッドが一つと,簡易ベッドが一つ。そしてキッチンがついている。システムキッチンが取り付けてあって,冷蔵庫,電子レンジもある。鍋,食器,調理用具もあるから,近くのコンビニで材料を買ってくれば調理ができる。洗濯機もあるので何日でも暮らせる。テレビもあるが,日本語の放送はないので,ニュースと天気予報を見る程度になる。
 昨日の部屋はシャワーだけだったが,バスタブもある。ゆったり汗を流すこともできる。
 冷房設備はやはりないので少し暑いが,窓をあけて扇風機をつけておけばいいようだ。
 部屋の引越し荷物の移動はエレベーターを使う。ところが3階で階数表示が動かない。
「どうしたの,上がらないよ。故障かな。」
 ボタンを押しつづけていると下降し始めた。「階段を上がらなくてはならないのか」と思ったが,よく調べてみると故障しているのは階数表示だけ。実際には4階に上がっていたのだった。
 このホテルの建物が建てられたのは100年も前のこととか。普通の家をホテルにして使うようになったらしい。なんでも新しいものに飛びつく日本人の考えとは違って,伝統を大切にするイギリス人の考え方がこんな所にも表れているような気がする。