そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.360  イングランド夏紀行5
三 街を歩けば
3 Buckingham Palace
 バッキンガム宮殿の特別一般公開の前に馬具の建物を見学する。宮殿横のこの建物もなるほどちゃんと見学地になっている。馬がいる。何台もの馬車がある。金ぴかの馬車がどんな時に使われた馬車か中に入って見られる。宮殿は撮影禁止の場所が多いが,ここは自由。土産物店もある。その収入も王室に行くのかな。
 外に出て一休み。のどが乾いた。予約した時間でなければ宮殿には入場できないということで,中に入って見学するまでにはだいぶ時間がある。近くの木陰で休む。時間待ちの人がいっぱい腰掛け,子どもたちはじゃれ合いながら時を過ごしている。それにしても暑い。冷たい水を飲んで,時間を過ごす。
 バッキンガム宮殿はバッキンガム公の私邸を1762年に王室が買い上げ,改装したものである。女王の住居であり,外交使節団などを招待する場所として使われているのだが,火災に遭ったウィンザー城の修復費用を得るため,1993年からこの時期だけ公開されているという。
 全部で600室あるということだが,公開しているのは18室。イヤホンで日本語ガイドを聞きながら見て歩く。ところが,初めのうちは部屋の模様とイヤホンガイドが合っていたのだが,途中からわけが分からなくなってしまった。初めに部屋全体の説明があって,詳しい説明が聞きたければそのように操作しなさいという。飛ばして次の部屋に行く操作もできる。しかし,部屋が広いので,どの部分を説明しているか分からなくなってしまうのだ。「あれ,この部屋の説明は前に聞いたぞ。」と思ってバックさせると,さらにわけが分からなくなる。まあしようがないや,とあきらめて全体を見て回った。
 それにしてもすごい。部屋も廊下も,壁も天井も,広く高く大きい。そして,そこに置かれた絵画も彫刻も世界の一級品ばかりである。「楽器の部屋」というのもある。これもまた最高の楽器ばかり。お金がかかりすぎるとクレームがついたこともあるということだが,さもありなん。
 きょろきょろと驚きの連続で,ガイドとはさっぱり合わないままに出口まで来てしまった。外に出てしまうと妻や長男たちとバラバラになってしまう恐れもあるので,しばらく待つ。庭園の片隅に土産物店があるので少しだけ買い物。
 今日の行動予定の最後は,ミュージカル『雨に唄えば』の観劇。