そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.366  台風18号

「イギリスばかりじゃどうかな」という声もありそうなので,ちょっと近況報告を。と言ってもそんなに大きな変化はない。でも,台風18号は厳しかった。ちょうど地震と一緒だったものだから,家の揺れるのが地震によるのか,台風によるのか分からないような状況だった。「地震・雷・火事・親父」という言葉があるが,台風がないのはおかしい。多分,台風を知らない人が考えたのだろう。

 台風16号が鳥取県を通過したときには,息子たちも心配して電話をくれたが,鳥取県の被害はたいしたことはなかった。18号も同じようなコースで,風(かぜ)台風という点でも似ていた。だから油断していたというわけではなかったが,久し振りの本格的な台風だった。島根県あたりから日本海に出て北東に向かったから,鳥取県からは離れていっているはずなのに,一向に風がおさまらない。

 各地の被害がテレビで放送され出した。広島など中国地方にもかなりの被害が出ているようだ。台風の風というのは,ずっと吹きっぱなしではない。ときたま,非常に強い風が吹く。その時の風速が最大瞬間風速というわけだ。いつ強い風が吹くかは分からない。おさまったと思って外でごそごそやっていると,突然の強い風にぶつかることもある。だから強風が予想されるときは,あまり外には出ないことだ。

 学校に勤めていたころには,子どもたちの扱いをどうするか,最終的な判断が校長に任されていて,たいへん悩んだこともある。最近はある程度の基準を町内で決めていて,一斉の扱いをするようになったようで,気分的には楽かもしれない。今回の場合も,前日から町内の小・中学校は臨時休校となっていた。

 広島の最大瞬間風速60メートルというのには驚いたが,鳥取市でも40メートルの風が吹いたと報じている。急にゴーッと吹いて家がミシッと揺れるから「あっ,今のは強い」と窓から外を見る。畑や花壇や鉢物が被害を受けていないか観察するわけだ。鉢が倒れるのは仕様がない。できるだけ多くの鉢を集めて,お互いもたれ合うようにしたり,重い鉢を所々において倒れないようにしているが,万全ではない。倒れた場合は風がやむまでそのままにしておく。それ以上は被害が出ないからだ。

 それでも,壊れた鉢が2個あった。ペチュニアなど花物は花が吹きちぎれてしまったものもある。屋敷の隅にあった銀杏の木が真っ二つに折れてしまったのには驚いた。これは土地を買ったときについてきたもので,大きくなりすぎたので切ってしまう予定だった。途中に少し鋸を入れたが,鋸が小さくて切ることが難しかったので,中止していたのだ。強風でその部分が折れたらしい。回りに害がなくてよかった。鋸を買ってきて(2700円也)元から切った。台風のおかげで,課題が一つ解決した。

 次回はまたイングランドに帰ります。