そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.367  イングランド夏紀行9

 五 バスもまたよし
 1  London Sightseeing
 ガイドブックで「市内観光バス」があることは知っていた。市内90ヵ所の停留所で自由に乗り降りができ,チケットは24時間有効。イヤホンで日本語ガイドも聞くことができる。ロンドン市内は,前回来たときやはりバスで見て回ったが,所々は自分の足でも確かめたい。途中降りて歩いても,15〜20分ごとにバスは出ているので,次のバスを待てばよい。
 ヴィクトリア駅近くのスタート地点からダブルデッカーバス(2階はオープンデッキ)に乗り込んだ。もちろん街の様子や景色をよく見たいから2階に座席を決める。
 バッキンガム宮殿の日本語ガイドは,自分で操作するものだったので,いる所とガイドがずれてしまったが,バスのものは運転席で集中管理しているのでずれる心配はない。
 どこで歩くかは決めてなかったが,とりあえずピカデリー・サーカスで降りる。このあたりは昨日も歩いたような気がするが,少しぶらぶらして近くのスターバックスの店でコーヒータイムにする。この手の店,利用しやすいのだろう,どこに行っても客が多い。
「さてバス停はどこだったかな,エロスの像を目当てにして,ああ,あそこだ」と,バス停で係りの人にチケットを見せると「違うからついて来い」と言う(ように見える)。なるほど,通りが少し違っていて,別コースのバスの停留所だったのだ。しかし,親切に道案内をしてくれた。サンキュー。
 ビッグ・ベンの近くを通って,テムズ河畔に出る。ウォータールーブリッジ,ロンドンブリッジ,タワーブリッジを渡り,右に左にテムズ河を見ながらロンドンの中心街を見て回った。
 少し歩こう,ということで,チャリング・クロス駅付近で降りる。ブリティッシュ・エアウェイ・ロンドン・アイの観覧車(高さ135m=世界最大)が河向うに見える。1kmばかり歩いてウェストミンスター寺院に出た。観光客だろうか,昼過ぎのこの時間,多くの人が並んでいる。ちょっと雨が降ってきたが,大したことはない。ここを過ぎたところにバス停があるはずだ。
 ほんとうはどこか途中で昼食を取るつもりだったが適当な店が見つからなかった。まあ,ホテルに帰って食べよう。バッキンガム宮殿の前を通って,バスはヴィクトリア駅近くに到着する。
「テムズ河のクルーズも,そのチケットでできたのに」と長男から後で聞いたが,知らなかった。惜しいことをした。その乗り場を横目で見ながら歩いたのに。