そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.379  市民図書館を知ろう

「市民図書館を知ろう」という座談会が開かれた。
 11月1日から気高町は鳥取市に編入されるので,気高町立図書館も「鳥取市立気高町図書館」になる。鳥取市立図書館の現状と展望について現在の鳥取市立図書館の担当者から聞こうというわけだ。主催は気高町立図書館支援団体「フレンズ」で,私も一応名前は入っているのだが,ほとんど活動はしていない。しかし,現在の鳥取市立図書館の様子と,合併してからの展望も知りたかったので,参加して聞いてみることにした。

 市立図書館の館長・副館長からは,
1.図書館と移動図書館車を中心にサービスを実施。
2.配本システムを拡張し,中央公民館図書室,学校図書館と連携。
3.市民はどこの図書館でも利用できる
4.配本システム
5.図書館整備計画の策定
の,5点を中心に説明があった。そう言いながら人員不足のため「サービス向上」が難しいと言う。10月1日に新しい市としての人事異動が発表されたのだが,図書館については全く変わっていない。
 最近,図書館を廻って鳥取県知事と鳥取市(教育長)とのバトルがあった。
 知事曰く「鳥取市は図書館について熱心でない」。
 それについて鳥取市教育長が新聞紙上で反論するのだが,私から見ると知事の言うことのほうが的確に現状を見ているように思われる。館長は相変わらず嘱託だし,人員も増やさない。つまり鳥取市は図書館についてあまり理解を示していない(人事で見る限り現在もその姿勢は変わっていない)。それについて市立図書館側も行政に責任を転嫁しているだけで,改善への取り組みがない。明らかな矛盾ではないか。
 現在のサービスについて,フレンズ会員の中から「市立図書館の司書のサービスに問題があるとの声も聞く」という意見も出る。
 さらに,図書館協議会について「平成16年度は,現在の鳥取市の委員7人で協議する」という。現在,気高図書館の協議会は私を含めて8名の委員で構成され,図書館運営に関するさまざまな問題について協議し,意見を述べてきている。たとえ5ヶ月間とはいえ,鳥取市の委員だけで話し合えることではないはずだ。
 これはよほど腰をすえてかからないと飲み込まれてしまうぞ,と思う。

 私たちの気高町立図書館は本当に血の出るような思いの中からできた図書館だった。そのような思いの人たちが多くいることを,新しい図書館の体制作りに向けてあらためて意識しなければならない。