そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.392  小春日和

 いい天気が続く。小春は旧暦10月の異称の一つという。今日はまだ旧暦では9月だから,厳密には「小春日和」とは言えないかもしれないが,まあ,あまり面倒なことは言わず,晩秋の暖かい日和を小春日和としよう。
 ソラマメを植えたり,エンドウを蒔いたり,タマネギを植えるところを作ったりと,冬を迎える畑仕事も忙しい。

 散髪屋さんで,散髪してもらいながら,
「いい天気が続きますね。」
「これまでが悪過ぎましたからねえ。」
 実際,猛暑・台風と今年は実に極端な天気続きだった。少しは落ち着いて,普通の天気になってほしいものだ。

 小春日や石を噛みゐる赤蜻蛉   村上鬼城
 そういえば,赤とんぼを見なくなった。「赤とんぼ」にもいろいろ種類があるようだが,あの真っ赤なやつが少なくなったように思う。今度調べてみよう。先日逢坂小学校の授業研究会に招かれて行ったとき,事前に調べた本の中に「鳥取県の絶滅危惧種」というのがあって,確か赤とんぼも入っていたような気がする。

 そんなことを考えながら我が家の庭を見る。
 ウメは軽く剪定してやらねばなるまい。ボタンは露地に下ろしてやろう。カキの支柱はもう少しはずさないでおこう。今年ようやく実を口にできるようになったイチヂクの剪定もそろそろだな。キウイは今年は雄花だけしか咲かなかった。雌木もだいぶ大きく蔓を延ばしてきたから、来年は実がなることを楽しみにしてもよさそうだ。
 エンゼルス・トランペットは露地で冬越しさせるための工夫をしよう。
 この好天にそれでも60鉢は室内に取り込んだ。あと少なくとも30〜40は入れなければならないだろう。

 ダイモンジソウが咲いている。5枚の花弁が漢字の「大」に似ているところから付いた名前である。写真のものはなかなか立派な大の字だが,アンバランスになっているものも多く,花言葉も「自由」「不調和」。
 ユキノシタ科の多年草。なんと,これが食べられるという。若葉はそのままサラダに、和え物や衣をつけて揚げ物としても人気があるとか。もう少し株が増えたらためしてみようと思っている。