そらのやま「通信」     Yukito Shimizu


No.396  斐川町立図書館

 気高図書館応援組織の「気高フレンズ」は,いい活動をしている。「もの申す」だけでなく自ら行動する組織である。気高町立図書館が「鳥取市立気高図書館」となってからも,この図書館の活性化を目指して活動しているようすが目に見えてうれしい。そういう私も会員の一人で,今回「先進図書館」の視察に出かけることになった。
 島根県の斐川町立図書館の視察である。町バスを使って16名の会員が集まった。図書館設立に10年の取り組みをしてきた人たちの集まりである。それは熱心でないはずがない。
 
 晩秋の、天候が不安定な日曜日であった。
「虹が出ている。」きれいな虹が日本海に半円を描いている。
「竜巻雲が出ていますよ。」海岸近くに居住するHさんが言う。この時期海岸の空を観察しているとこの現象はよく見られる。そのための被害ということは聞かないが,急激に強い気象の変化があるときには何かあるかもしれない。

 さて,斐川町立図書館,建物も,中身も気高町立図書館とは比べ物にならない。建設費16億円,蔵書冊数7万5千冊,職員11名。人口2万8千人というから,気高町(人口1万人)と比べると2.8倍,合併して気高・鹿野・青谷3町あわせて(人口2万2千人)1.3倍ということから考えてもものすごい図書館である。
 どこからそんな図書館建設の構想と金が出てきたのか,分からない。

 私は,新しい珍しい施設を見るときトイレを使ってみることがある。わざと調べてみようというのではないが,なんとなく入ってしまうのである。それで失望することもあり,「うーん」とうなってしまうこともある。ここの図書館では後者のほうだった。なんと,手洗いの蛇口から出るのは暖かい湯だったのである。この時期,そろそろ水の冷たさを感じる時期,我が家のトイレも便座の温度,ウォッシュレットの温度が気になるころ,ここではきちんと気候にあわせた温度調節がしてあった。
 幼児・児童用のテーブルや椅子,学習スペースなどもよく考えられている。日曜日という図書館利用者の多い日ではあろうが,子どもから大人まで多くの人がこの施設を使っていた。

 その後の講演会,この時期のイベントではどこも人集めに苦労する。私たちを含めて40名ほどか,ここもなかなか多くの人が集められない状況かな,と思った。いい話が聞ける機会なのに,暇がないのか,興味がないのか,他にいいことがあるのか,もったいないことだ。しかし,全体的によい視察ができた。